研究室生活・学位論文

キャパオーバーが生産性を高める

4月28日にトルコから帰国して、一日の休日(祝日)を挟んで30日。その夕方、私は連休前の2日ちょっとの間にしたいこと、しなければいけないことをこう列挙していました。 ----- 今夜(4/30)〆切のタスク ・2歳児の快眠サポート ・来週の講演スライド最終チ…

新年度に顔合わせ(2014)

昨日は、理科大野田キャンパスの新年度・教員懇話会でした。私は薬学部を出て総研に異動したのですが、退職→新規採用という形なので「新任教員」扱いで。 その点、先生方にかなりからかわれ(?)ましたが。はい、単年での契約更改を楽しませて&(たぶん)苦労…

自信を持って卒業してください

なんだかんだ言っても、同じ時をすごした学生が無事に卒業するというのは、嬉しいもんですね。 昨日に理科大の卒業式。少しは寂しいと感じるかと思ったのですが、まったくそんなことはなく。研究室で卒業生へのメッセージを求められても、とくに今言いたいこ…

明日は卒業式、そして次のステージへ

今年も研究室では、2月に修士論文審査が終わり、卒研生の発表も終わりました。 何かしらすれば、何かしらの結果は出ます。そして、その経験はすべて過去になります。 手にした結果を、学内だけで評価(審査)されることに意味はありません。その価値をどれだ…

今日は悔しさをぶつけます

今日は研究室で取材を受けました。私たちの研究内容に関心を持っていただいて、大阪からいらしてくださったとのこと。丁寧な取材がとてもありがたく、感謝するばかりでした。 上司であるラボの教授から私は、取材の対応の一切を任せていただいたのですが、私…

大学院生の論文が受理されました(2014)

大学院生が、寝ても覚めても脳組織切片とにらめっこして、原稿ともにらめっこして仕上げた研究成果が、国際学術誌PLoS Oneに受理されました。 これで何かが終わったわけではありませんが、ひとまず。おのD、おめでとうー。 Onoda A, Umezawa M, Takeda K, I…

U-runnerが理科大で学んだ「実力主義」

今日、学内某所にて、理科大の「実力主義・実学主義の伝統」についてお話しする機会がありました。私が学生のときから感じてきたことを、話してほしい、と。 少し考えてみて、「実力主義」についての気づきの出発点は、私が入学したときの薬学部長の言葉にあ…

タスクリストを書き出そう(2014)

進めたい仕事が複数あるとき、どんなに一気に仕上げたくても、最善解はやはり「それぞれ少しずつでも、着実に進めていくこと」であることが多いです。 そうなると、一定期間では手を付けられない仕事が出てきてしまうのも事実です。仕事仲間(共同研究者ら)…

苦労せずに卒業してください

先達の苦労なんて、自分が後追いでしようとなんて思えません。 自分がしてきた(と思われる)苦労を、自分よりも若い人もしたら良いかもなんて、もっと思えません。 自分が経験してしまった苦労を、いかに “次の人” がせずに前に進めるようにするか。その力…

論文アクセプトを祝うべし

昨日は、昨年末にアクセプトされた論文の祝いパーティーでした。 図表やタイトルページを掲げて撮るの、いい感じ! 振り返ってみるとこの研究は、研究室のほぼすべてのリソースを活かし切った内容でした。研究室にある数十の(現役の)実験・分析機器のうち…

これからのこと

いろんな人、いろんな先生方と、これからのことをお話できた一週間でした。 これからの薬学教育のこと。 これからの理科大野田キャンパスのこと。 これからの幼児教育・健康教育のこと。 これから進めたい研究のこと。 これからの国際交流のこと。 これから…

すべてはつながっている2

初めてその後輩(当時大学2年生)と会ったのは、私がポスドク1年目のとき。当時の大学4年生(こちらも後輩)の紹介で、彼が研究室に見学に来たときのことでした。 その2人は、「伝えること」への課題意識を、とくに強く共有する仲間になりました。「有用な知…

卒業生の論文発表―超音波式加湿器から放出される微小粒子

私が大学院生(2013年3月修了)と、超音波式加湿器から放出される微小粒子を研究した成果が、専門オンラインジャーナル誌 Particle and Fibre Toxicology に受理(アクセプト)されました。➡論文はこちら。 「日常生活と健康」に強い関心を持つ大学院生と取…

若い人の力を信じています

昨日は研究室の忘年会でした。 私にとって今年、2013年は、助教として初めて仕事をし通した1年間でした。どんな仕事があるのかと、不安も感じたスタートでした。が、多少仕事が増えたくらいで、私のやるべきことや考えるべきことが変わらなかったのも事実で…

終わり良ければ

終わり良ければすべて良し。先日、打ち上げの宴で乾杯の一言を求められて、とっさにこの言葉が出ました。 これ、字面以上に深みのある言葉だと思っています。 終わり(結果)より、そこまでの過程(プロセス)の方が大事でないの? という声が聞こえてきそう…

できるだけ学生に近い側で

大学生の親御さんが、私を「梅澤くん」と呼んでくれる。それは、私が教員としての原点に帰れる貴重な機会。 「梅澤くん」と呼ばれるのを聞いて、周りの先生が親御さんに「先生ですよ(笑)」と指摘してくださる。(そういうのを笑い話にしてくださる先生方が…

子どもの将来を想像して仕事を

随分前 大学生の頃かな レストランで席が近くなった親子 スケッチブックを持参している小さな子ども 昔の私みたいで気になって仕方ない その子が 「絵描きさんになる!」と言う お父さんが「食べていけないから止めときなさい」と言う その頃 絵描きさんをま…

TUSフォーラム2013参加報告

2013年11月6日、理科大の研究成果紹介と新たな連携を探るイベント「TUSフォーラム2013」に参加していました。私自身の研究課題に直結する部分に限っても、次の3題。今後の研究の展望を描く上で、とても参考になる講演がありました。 以下、備忘録も兼ねて独…

理科大・ホームカミングデー2013にて研究紹介

2013年10月27日、東京理科大学のイベント「ホームカミングデー」(@葛飾キャンパス)で、「理科大での研究紹介」の部屋で出展をしてきました。 タイトルは、『胎児期(産まれる前)の環境と子どもの健康』。 このイベントでは昨年も出展させて頂いていたの…

アジアの学生に研究室紹介

2ヶ月前、アジアの学生に研究室紹介したときのことが、理科大の父母会「こうよう会」の会報で紹介されました。嬉しい! (東京理科大学こうよう会報『浩洋』2013年10月号、p.4) 2013年8月末、薬学生サークル「ADME」が他国の学生を、うちのラボに連れてきて…

研究背景の棒読みがNGなわけ

研究発表をいろいろ聞いていると、序盤で「もう聞きたくないな」と思ってしまうものに出会うことがあります。 それは、「研究背景を棒読み」する人の発表。 研究背景には、自身が取り組む課題になぜ挑む必要があるのか、何が明らかで何が不明なのか。不明な…

大学生で実験に励む学生へ(2013-2)

伝えられたこと/伝えようとしていることと、伝えたいけど伝えられていないこと。 ●伝えられたこと/伝えようとしていること ①データの伝え方・示し方・表現の仕方 ツタグラ(伝わるインフォグラフィックス) 伝わるデザイン(研究発表のユニバーサルデザイ…

恩師の教育観エッセー

我らが東京理科大学の『科学フォーラム』2013年10月号の巻頭に、私の恩師のエッセーが掲載されました。先生は今の上司でもありますが、私の大学院時代の指導教授でもあり、今日はあえて「恩師」と書かせていただきます。 武田健『手抜き教授の告白』(理大科…

私なりの大学院早期修了の「必要」条件

「どうしたら大学院博士課程を早期修了できるでしょうか?」と、これまでに10回以上は聞かれたでしょうか。 はっきり言えば、聞かないと分からないのであれば早期修了などしない方がいいでしょう。ですが、この問いに対する答えは、大学院の修了に限らず研究…

勝負したいことで勝負できる所へ

一つの仕事をするにも、能力として様々なものが必要であることは常です。いったいその能力は、どのように評価されるのでしょう。 その答えを私は持っていませんし、そのためにここには答えも書けません。しかし、どのように評価されるのだろうか、といった不…

大学院生の論文が受理されました

私が大学院生と、妊娠前の脂質過剰摂取が子ども(肝脂質代謝)に及ぼす影響を研究した成果が、国際周産期医学会の公式ジャーナルJournal of Perinatal Medicineに受理(アクセプト)されました。 このアクセプトは、ものすごく嬉しいことがいくつかあり、自…

理大『科学フォーラム』に特集「次世代健康科学」

私の原稿が、東京理科大学の『理大 科学フォーラム』2013年6月号に掲載されました。 内容は、いま所属している研究拠点「戦略的環境次世代健康科学研究基盤センター(東京理科大学 総合研究機構)」で、私が描いている研究ビジョンや持ち続けている研究スタ…

独創性とフォロワーシップの狭間で

私は半年前に助教に着任したとき、私の慕う教授のラボをアシストするに足る役割を担いたい、という旨のことを書きました。(→ポスドク最後の1日、2012年11月) それ以来この言葉を、何度も自分の中で復唱しています。そのときに、同時に度々思い出すコラムが…

研究室に来なくてもできる仕事もする

Don't confuse hard working and hard thinking. “仕事をして生活する形” として私がとりたいのは、本当にそういうこと! と思いながら読みました。「研究室に来なくてもできる仕事をするようにということ。」 ●研究も家庭生活も合理的に、生産的に、ハッピ…

大学院で実験に励む学生へ(2013-1)

年度が替わってからいろいろ書いていたら、1ヶ月半ほどで溜まってしまったので、以下に3つほど書き上げてみたいと思います。 ・その実験系が何を反映するモデルなのか ・自らの課題に主体的に取り組むこととは? ・大学は教授・上司のコピーを作る場所ではな…