研究室生活・学位論文
先月、時間の合間を縫って読んだ本は池上彰さんの『教養のススメ』(東京工業大学リベラルアーツセンター篇、2014)。理科大の卒研生にもちょうどいい本だったのでと、研究室に一冊置くことにしたところ、早速の年末年始に卒研生の帰省先へと出張中です。 「…
今年度、2021年4月に「ナノメディカル工学」の研究室を立ち上げました。前年度まで研究の拠点にしていた研究室では5年間お世話になり、面白い研究に集中できる環境と外にも出るチャンスに満ちた、この上ない研究環境をいただいていました。その研究環境に甘…
今日から10月。大学の研究室に夏休み明けの学生たちが帰ってきて1ヶ月ちょっとが経ちました。この時期は、夏前後からの互いの課題と進捗を整理し合い、年末から年度末のまとめに向けたプランを共有していく時期になります。学生たちは普段の実証実験だけでな…
ラボワーク(研究室、つまりゼミ)へのエフォート100%で大学にいる私が学生と触れるのは、学生生活の最終盤に差しかかった人たちばかりです。そんな彼らに研究室生活で経験してほしいと思うのは、彼らが自分自身手に入れたい何かを手に入れるために、自分で…
3月に入ると、我らが葛飾キャンパスにも早咲きの桜が咲きます。 うちの大学の卒業式を明日(19日)に控え、先週のうちに、研究室での謝恩会(追いコン)がありました。 私は自分の今いる基礎工学部材料工学科の研究室に、2016年度から来てからこの3月で丸三…
私が材料工学科(3年目)でco-corresponding authorとなった2つ目の論文が、米国化学会ACSで界面科学を扱うジャーナルLangmuirで出版になりました。2018年末の12月26日にアクセプトされたものです。 ⇒Sekiyama S & Umezawa M et al. Delayed Increase in Nea…
1月末の2日間、私の今いる学科では今年度の修士論文発表会が行われています。 今日、初日の午前中のうちに、うちの研究室の大学院生たちの発表が終わりました。一緒に研究をしてきた私としても、一つ大きな論文の投稿を昨夜済ませてひと段落つけ、少しばかり…
生化若手以来の研究仲間の豊田優さんとの、初めての共著論文が出版になります。肝臓において胆汁から肝細胞へのコレステロールの再吸収を司るトランスポーターNPC1L1(*1) について、その脂肪肝 (steatosis) 誘導における役割と、これに対する薬物の治療効果…
2018年3月6日、第8回日本学術振興会育志賞の授賞式に招かれて日本学士院に行ってきました。それまで6年間一緒に研究をしてきた大学院生の小野田淳人さんが、嬉しいことにその賞を受けることになったためです。 日本学士院は、よく行く国立科学博物館の隣にあ…
今週、専門(生物、農学)を生かして将来アフリカに貢献したいという大学1年生と話をする機会がありました。先月にはちょうど、理科大同窓会の機関誌『理窓』で私の研究の国際展開を紹介したこともあり、専門を生かして見えない壁(*1 )を越えて活動を展開す…
私が新しい分野(薬学→工学)の新しいラボに本務を移してから9ヶ月余り。先週は、年末を迎えて前ラボの教授とも、ささやかな忘年会を行う時間を持ちました。前ラボで11年間お世話になった私自身に、当時から一緒で1年余り先に博士課程修了予定の大学院生。共…
今年の9月の半ばを過ぎました。大学では「手持ちの技術では見えない、見えないから分からない」ことを、「使われていない技術で見せたろ、見えたらもっと色々分かるかも」と走り回っている毎日です。 見えなかったものをあぶり出すために組んだ光路や電気回…
8月初め、夏季休暇を迎える前に上司(研究室の教授)が学生に向けてメッセージを送りました。6ヶ月前の自分からどう変わったか。前にできなかった何を、この6ヶ月でできるようになったか。次の6ヶ月でどうなりたいのか。それを意識しながら行動できるようで…
今週の火・水曜は、研究プロジェクトの全体会議で東大の農学部キャンパスにいました。この弥生キャンパスは、キユーピーの創始者・中島董一郎氏の名を冠したホールのあるフードサイエンス棟、数十人ほどでのパーティーもできる向ヶ岡ファカルティハウスなど…
標記学会の学会誌『バイオイメージング』の2016年6月号は、前年の日本バイオイメージング学会学術集会@理科大葛飾キャンパスのシンポジウムの内容をまとめた特集号として発刊されました。私の前所属と現所属の共著論文があり、また、前所属から一緒の博士課…
分野が「薬」「医」「生物」という括りで同じでも、少し分野が違うと出てくる単語も違うと実感する毎日です。ここ1年ほど、違う分野の人との共同研究を考える機会も多かったのでなおさら。 今日は備忘録を兼ねて、微生物・遺伝学編。生物学に通じている人で…
紫陽花は6月への準備に、薄緑のつぼみの玉を出し始める時期。5月中旬に守谷ではこの姿の紫陽花が、都心ではもうすでに開いていると聞いて驚きました。 6月への準備。私も新しいラボでもうすぐ3ヶ月目。 研究や仕事をしていると何かがうまくいきそうでいかな…
私が5年間、理科大の野田キャンパスを拠点に関わってきたプロジェクトが3月で終わり、昨日2016年4月1日から葛飾キャンパスで研究することになりました。 前のプロジェクトでたくさんの投資と自由度をもらったので、得たものを取捨選択しつつ発展させ、次の新…
梅の花の季節に理科大野田キャンパスで、理科大薬学部とマレーシアのUiTM (Universiti Teknologi MARA) とが中心になった国際学会 iPoPS2016が開催されました。 ●iPoPS2016 website 写真は、会場(セミナーハウス)の南隣の公園に咲いた白梅。満ちる梅の香の…
今週初めに、うちの研究室でも今年度の修士論文発表会が終わりました。毎年この時期に「修士論文の書き方」について思うところを書いてきましたが、私にとって薬学研究科の修士論文を見るのは、今年度でひと区切りです。 私が毎年のように書いてきたことは、…
昨日からBMB2015(生化学会・分子生物学会合同大会)に参加するため、神戸に来ています。学会に来たのに、出発前日午後にしゃべり過ぎてしまい、初日の朝から声が枯れてしまっているという… でも、普段考えていることが話題に挙がると話してしまうし、話すこ…
2015年11月7日、「第39回星薬科大学大学院研究科助手会・大学院自治会合同公開セミナー」にご招待いただき、研究発表をしてきました。 このセミナーは、「助手会・大学院自治会」での合同開催。つまりは、大学院の研究教育環境づくりに当事者が関わるべく、…
研究倫理。それは研究者にとって、理解して実践しなければいけない問題です。「自分は大丈夫」と言える常識と良心があれば良いという問題でありません。自分の手元で出たデータに限らず、共同研究者が見せる筋にも、批判的に見るプロセスが常に必要と言わな…
物事を成すには、その集団にいなかったような新しい人材が必要なことがあります。何かを変えたり成長したりしようとするとき、改革を取りまとめ、実現可能性と実効性とを取り仕切れるトップとして、「文化」の異なる人を呼び、招き入れることも多々あります…
“すべての出張は「実を得なかったらこの仕事はやめる」という覚悟で” と以前に書いていましたが(→こちら)。そういえば、私にとって出張で何を得たら実を得たと言えるのだろう。 3歳児に出張の旨を伝えて自宅を出て、学会発表のため出張をハシゴしながら、…
生物学の研究者と情報学の研究者。生物についての大規模データ解析や情報処理の観点から、研究レベルで連携する意義は間違いなくある。けれど、したくても誰もが連携できるわけではないと聞く。 互いの目標や「当たり前のライン(分野にある前提)」を共有す…
2015年9月26~28日に、日本バイオイメージング学会の公開講座・学術集会を理科大葛飾キャンパスで開催することになり、その準備を進めています。 ●第24回 日本バイオイメージング学会 学術集会 ・公開講座:2015年9月26日(土) 12:00~18:30 参加無料、事前申…
理科大・野田オープンキャンパスでの研究紹介イベント「見える体験 ミクロの世界 研究の世界」、盛況のうちに終えて帰ってきました。 研究はやっぱり、「見えないこと」を「見えること」にしていくのを楽しむことなんだと、 もちろん難しい面もあるのだけど…
今週の土曜日(2015年8月8日)、野田キャンパスでの理科大オープンキャンパスで、私の所属する総合研究院も出展をすることになりました。 題して、「見える体験 ミクロの世界 研究の世界」 ~Only at TUSの研究の最新成果からそれを担う人まで、すべて見せま…
社会の中で生きていれば、困り果てること、それは違うだろって思うことも少なくないけれど、そうやって容易も困難も色々あり続けるのが社会なんだってことは違いないと思う。 何をどう変えたらいい、変えるべきと多数が言って(くれて)いるように見えたって…