「医工連携」「子どもの健康」などなど

 生物学の研究者と情報学の研究者。生物についての大規模データ解析や情報処理の観点から、研究レベルで連携する意義は間違いなくある。けれど、したくても誰もが連携できるわけではないと聞く。
 互いの目標や「当たり前のライン(分野にある前提)」を共有することは、容易でないからなんだろうと思う。

 工学の研究者と医療の研究者。医療現場の問題解決に新しい工学技術は活きるし、逆に工学分野にも医療という出口は簡単に見えそうだ。けれど、連携したくても誰もができるわけではないと聞く。
 連携するために共有したい互いの「言葉」や「ライン引き」を理解することも、容易ではないんだろうと思う。

 環境、子ども、をキーワードにすると、困難は増える。利害関係者が多ければ、感情も幅を利かせる。もちろん感情は大切だけど、自分のそれを他の人に主張することは、問題を解決に向かわせるものではない。相手がそれを押しつけられると感じると、事態はすぐに暗転する。持つ感情は、人それぞれ違うのが当たり前のものだから。その違うということを前提にしないと。

+++

 文化(当たり前のライン)の違う人たち同士との連携、どうしたらうまくいくのか。答えが漠然とは分かっていても、実践の方法がすぐには見出だせずに苦労することは多いだろうと思う。

 そんなものは、軽やかに越えられる人が、どんどん越えてくれたらいい。多くの人が20時間かかる仕事を、2時間でこなせる人が担当すれば世の中どんなに変わることか。
 そして越えるときの道筋は、他の人が一つの例として追えるように誰かが道標を置いておけると、なお良いかと。

 最近、いろいろな人とのお仕事の機会をいただいて思うこと。それは、私は自分の「当たり前のライン」が他の人と似ていると思ったことがないけれど、違いを理解して、と同時にそれに臆し過ぎることなく、人との違いを強みにしていきたいということです。
 そうして色々な人にお会いした8月も、あと2日でおしまい。キーワードは「医工連携」「子どもの健康」でした。今を一つずつ終えるのが楽しみな大学生活です。能力があるかどうかでなく、実践できるかどうかで物事は決まるのだと心に留めつつ。


 ここにも一度ですが初めて行きました。有為な若手研究者が自由な発想でチャレンジすること。それを応援する雰囲気が、多くの場所にあってほしいと願っています。