若手教員と学生の「当事者意識」に刺激@星薬科大学セミナー

 2015年11月7日、「第39回星薬科大学大学院研究科助手会・大学院自治会合同公開セミナー」にご招待いただき、研究発表をしてきました。



 このセミナーは、「助手会・大学院自治会」での合同開催。つまりは、大学院の研究教育環境づくりに当事者が関わるべく、若手教員と大学院生がそれぞれタッグになった助手会と大学院自治会によって企画されているものです。そうやって若手教員と大学院生が関わり合いながら、互いを刺激し合っていくことの価値を勉強させられる貴重な時間でした。

 大学・大学院で最も鍛えられ、実を得るべき学生は十人十色です。教員から、学外の講師から、学内外の様々な機会から、先輩など学生どうしと、自立的に学びを高められる学生は自身でそれを高めていきます。一方で、迷いながらそれをし切れない学生もいます。
 その迷える学生を含め、彼らに何を示せるか、どんなきっかけを与えられるか、どんな言葉や感情に触れる機会を提供できるか。そこに、大学でのすべてのイベントの目的があると言って過言でないと思うんですよね。

 理科大で私は、大学院博士課程の活性化を目指した活動に2つほど関わっています。どういうスタンスでその活動に関わるか、そこで自分がどう振る舞いたいかについて、多くの学びがありました。イベントや活動は「やって満足」している場合でないのは当然ですが、そこからどんな成果を生み出せるか、自分がどういう言葉を持つべきかという課題を、改めて考えておきたいと思いましたよ。

 私が見たものは一部と言えど、また、同じことをすることが答えではないと言えど、私の学ぶべきものは多いと感じました。



 そしてこのセミナーは「第39回」でした。継続することで、時代の変化とか当事者の意識・盛り上がりとかを一歩引いて見直すことができる。そして、卒業生や元同僚とのネットワークを確固たるものにできる。物事は「続けるためでなく、終えるために」という意識をいつも持っている私にも、「続ける」ことの価値を再認識させられる時間でもありました。
 若手教員の立場でこういう企画を運営することが、どれだけ大変かを少しは知っているつもりの身としては、心からの敬意を抱くばかりでした。

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 そんな場所での私の発表タイトルは、「微小粒子の生体影響・次世代影響とリスクコミュニケーション」。「粒子」「次世代」「コミュニケーション」という主題から、集まってくれた人それぞれが、小さくても新しい観点を発見などしてくれればと思い話してきました。

●大気中に少なからず存在する小さな粒子が、生物の体内外でどのような動態を示すのか
●小さな粒子の表面付近ではどのような反応が起こるのか
●環境と健康の観点(衛生化学)から、慢性疾患の予防戦略や治療標的をどう考えられるか
●環境中に広範に存在するもののリスクの理解には、どういう形があるのか

 そんなことをイメージしながら、未解決の問題に取り組み、見えづらいものや現象、そのパターンを「見える化」するという研究の営みに、個々人がどういう姿勢を持て得るか。そんなことのヒントが、若手教員の熱い大学の院生に伝わっていればと思うところです。

 迎えてくれたすべての方々に御礼申し上げます。