大学院のラボで学んでほしいことと、シンポジウムご案内

 この3週間、中国交流滋賀で若手交流家族旅行近所交流と良い出会いがたくさんあったなぁと。ここで得たエナジーで、9月から年末まで突っ走ろうと思っているところです。

 そんなところで今日まとめ直した、学生に「大学院で知ってほしい自己マネジメントスキル」。自分が何を考え、何を計画し、進めながらどう考え、何を目指そうとしているのか。年度の後半、それを私の周りの大学院生にはもう一度問い直してほしいと思っています。

 実践してほしい具体的な方法は、2012年12月の生化学会若手フォーラムのときから話してきた、この2つです。

1. とにかく先行研究の調査を!
2. とにかく自分の考えのアウトプットを!


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 ※大学院で身につけたい研究マネジメント能力

1. とにかく先行研究の調査を!
 論文のIntroductionにあたる部分は、実験を始める前に、もしくは始めた後の早い段階に、引用文献をつけて書き切ること。これは研究を進める上で必須であると、私は考えています。
 研究に限らず何かを計画するときに、その目的、背景にある情報、その根拠など、自身でまとめられなければお話にならないのです。大学院生には研究を通して、その力をつけてほしいと思います。

 今年度も後半。これから就活の修士1年生も、もうすぐ修士論文のまとめが頭にちらついてきた修士2年生も、イマイチ先行研究をまとめ切れていない博士課程学生も、早くIntroductionをひと通りは書き切りましょう。
 その上で、自身の計画や手持ちの結果の何が新しい (novel) なのか、何が重要なのか、なぜあなたがそれを志したのか。それを自分の言葉で説明する経験を積んでほしいと思います。

 書き方については、こちらも。
 
How to draft background/introduction of your research(論文 "Introduction" の書き方)

2. とにかく自分の考えのアウトプットを!
 今がチャンスです。計画立案、方針決め、手持ちの結果の解釈… どんなケースでも必ず “自分なりの答え” を準備し、許される限りそれを表明しましょう。

 高貴なアイディアや高尚な答えなんて持つ必要はありません。今持つアイディアや、自分なりの答えが、その人の今ありのままを表すのです。そして、それを表明して物事を動かそうとすることこそが、その考えやアイディアを高め、その人自身をも高みに導いてくれるはずです。

 ●結局は「やるかどうか」

 そう思うので私は、学生相手にはそうそうすぐに自分の考えを伝えません。伝える場合はどんなときかということについても、理由と合わせてこちらに書きました。

 ⇒なかなか「答え」を言わない私

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 さて、私には9月はじめの今週末、開催準備を重ねてきたシンポジウムがあります。


 日本学術会議トキシコロジー分科会シンポジウム「PM2.5とナノ粒子 ―微小粒子の健康影響とその対策を考える―
 私も、パネルディスカッションのモデレーターをする予定です。(※申込期間を過ぎましたが、まだ若干の空きがありますので、ご参加希望の方がいらっしゃいましたらご一報ください。)

 今春にこれが決まってから、機を見ては “前哨戦” を重ねてきました。このシンポジウムが、ひとまず集大成と思ってやってきました。しかし、この集大成にも続きのチャンスを頂けそうです。少し驚きも感じつつ、でも、ありがたいこと。

 いつもいつも、仕事は終えるためにこそ、容易に解決しづらい問題をこそ克服するために取り組みたい。
 私が大学院で知ったことは、今のところそんなチャンスに結びついているみたいです。それを私が大学で進めていることは、私の理解では偶然に過ぎなかったと思っています。

 シンポジウム、うまくいきますよーに。