リーダーシップ・グローカリゼーション・ホスピタリティー

 Leadership, Glocalization, Hospitality...

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 2015年5月27日、こんなラボ合同セミナーを、客員の研究員・院生の発表を交えつつ行ってみました。研究発表と討論を通して、ラボや大学の枠を越えた研究拠点をどう作っていくかのアイディアを共有すること。それが合同セミナーの狙いでした。



 市原学先生との研究拠点の戦略は、"Glocalization"。市原先生がおっしゃった言葉ですが、言い得て妙、素晴らしいビジョンと語感だと思います。
 各々の足元がしっかりしていなければ、相互連携などできません。それを、拠点の各構成員が意識しないと、足元がぐらついて何もなくなってしまいます。一人一人が、足元をしっかりと見ながら外を見る、その感覚。


 (↑ 私が軽いノリで示すこの絵も、英語版で初披露。)

 セミナーのIntroductionで、私は改めて個のリーダーシップの必要性に触れました。その意味、どれくらい伝わったでしょう。
 これは決して、一人をリーダーに担ぎ上げるべきという意味でも、独り善がりに勝手に動くべしという意味でもありません。そうでなく、一人一人にしっかり自分で、自分のことやチームのことを考えて、決めてほしい・判断してほしいということ。一人一人がそのリーダーシップを持つべきということ。自身のアイディアを持ってほしいということ、より良いチームワークを築くために。そういうことです。

 各個人がリーダーシップを持ち、互いのアイディアを尊重しながらcollaborateすること、動くこと。それが、最高のチームを作るシンプルかつ唯一と言っても良い方法だと私は思っています。そして、その中で個々人が山ほど失敗と悔しい経験をすること。そうやって明日、今日より良いチームお持てることが、私にとっては何より楽しいことです。

「人」が見える経験を!
身につけたいリーダーシップと大学院教育@『採用基準』

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 ちなみにこの月末は、このセミナーをした水曜とその3日後と、他国から理科大に来てくれた人たちを見送ってきました。エジプトからは、4人の共同研究者(教員2人+大学院生2人)をラボで2週間迎えていたり。こういった交流を通して、日本を好きに思ってくれる人を私が一人でも増やせたと思うとき、大げさでなく、生きててよかったなぁと思います。
 しかし、それはもちろん私一人では実現できなかったことです。当然、迎えることすら一人ではできなかったことです。

 彼らを短期間迎えるにあたって、大学院生、研究員や技術員の方々の快いサポートがこの上なく有難かったです。わがままを言わせてもらえば、彼らがこの交流を通して自身の将来にとって役に立つ何かを、彼ら自身得ていてくれればこれ以上の幸いはありません。

続けるためではなく、終えるために

 思えば3年前に半年間来たYasser氏を迎えるときに、当時の学生たちのhospitalityがなかったら、今のこの縁はなかったことも間違いません。そう書いていて、感謝を書き始めると書き切れないのは、私の方なのだと気づきました。これ、心に刻み込んでおかなきゃ。
 Yasser氏が初めて私たちのラボに来て6ヶ月間の共同研究を終えて帰った2013年5月1日。涙を “こよなく嫌う” 私ですが、あの日見せた彼の涙は、美しかったと思います。

The last day with Yasser (however the day has not become the last day)

 私自身は、やりたいこと、やって楽しい・面白いと思うことをするだけのこと。私にしか言えないと思うこと、私だからこそできると思うことに拘ること。
 それを認めてくれ、一緒に面白がってくれる人が身近にいるという環境に、その奇跡に感謝します。そしてこれを書いていて、吉田松陰が辞世の句として書き残した和歌が心に響きます。

 「愚かなる吾れをも友とめづ人は わがとも友とめでよ人々」

 またあの日の人たちに会うときを楽しみにしつつ、今日はこんなところで。