外国人の認めてくれる日本にある「価値」

 先月、エジプトからの友人(若手研究者)たちが理科大だけでなく、東北(岩手)で手軽な日本の自然を楽しんでいってくれました。その一人が、日本の地方で素晴らしかったものを、こう表現してくれました。

 (One of my friends Yasser saids,)
"Fantastic Nature -- Very beautiful scenes and views, sunshine, fresh green, huge trees, hand catches colored fish, very large rocks"

 他に、欧州から先月末に来てくれた仲間の言葉も合わせながら、外国人が価値を認めてくれた日本の姿について、並べておきたいと思います。

 <Japanese "values" recognized by foreigners>
・Cultural sites, temples and shrines
・Cities with green, water and clean air and sky
・Local shopping
・Well-organized railway network

 (つまり)
・寺社仏閣などの文化遺産
・緑と水があふれ、空が広くてきれいな町
・ショッピング
・よくオーガナイズされた鉄道網


 @Motsuji-temple(毛越寺

 寺社仏閣などの文化遺産は、有名なものだとガイドブックにも乗っていますし、言わずもがなでしょう。そして、その価値が認められるのは京都や鎌倉だけではありません。
 浜松町の西の大門の方でも、都心の幹線道路にどーんと赤い増上寺の門が現れます。ここは東京タワーや六本木の森タワーも背景に入り、多くの人たちが立ち止まるスポットです。


 @Motsuji-temple(毛越寺


 @Motsuji-temple(毛越寺

 緑があること、空気に良い具合の湿度があり澄んでいること、山があること、しとしとと雨が降ること。こういった私たちのすぐ隣にあるものも、そういったものを普段目にしない人には魅力的にうつります。
 先月、岩手を訪れたエジプト出身の友人たちは、大した靴も履かずに好奇心だけで、毛越寺から中尊寺までのトレイルコースを踏破しました。


 @Trail course of Hiraizumi(平泉のトレイルコースから)

 ショッピングは、衣料店、電機店、文具店。何も特産を並べた土産物屋でなくても、他国から来た人は関心を持って見ていきます。とくに日本の文具は、きれいで上品で長持ちするという印象を持たれていますし、それは事実なのだと思います。私の友人も、上野駅での新幹線の待ち時間に、文具や服の店に立ち寄っていました。

 その場所にローカルな特色があると街自体がブランド化され、より多くの人が集まることは、「表参道」「銀座」「秋葉原」といった例を挙げれば納得してもらえるでしょう。

 あとはよく目にする文具だけでなく、日本画材も是非見てもらいたいですね。
日本画レシピ① 岩絵具 (Natural mineral pigments)
掛け軸の仕舞い方《太軸》(How to pack up the hanging scroll)
 (どちらも、定家亜由子さんのブログから)



 あとは優れた鉄道網。特筆に値します。適した日本語が思い浮かばないのですが、"well-organized" そのものです。
 日本は国土が細長く、「街道」という言葉があるように線のように並んで街が発展したために、鉄道がよく発達したのでしょう。例えば、山陽新幹線が大阪・岡山・広島・…と結びながら九州に向かうのが好例です。もっと平野がずっと広く、日本にももし面状に都市が点在していたら、飛行機の方が優位に立ったのだろうとも思います。
 もちろん、日本の国土の広さも鉄道が発展するには絶妙だったのでしょう。もし英国のグレートブリテン島ほどの広さしかなかったら、鉄道を高速化したいという動機付けはずっと小さかっただろうと思います。

 また、美しくデザインされた日本の列車は注目の的。先月エジプトからの友人たちと岩手に旅行したときも、帰りの上野駅の新幹線ホームでどんどん来る新型車両を見ながら、楽しい時間を過ごしました。新幹線改札を出ると豪華寝台列車カシオペアが停まっており、これにも彼らは大興奮でした。
 JRさんは、人気列車といえど老朽化したの存続は検討課題とされているそうですが、他にない豪華列車の価値をどう売り出してどう人とお金を呼ぶのか、よく考えていただきたいものです。

 ※豪華寝台、道内乗り入れ検討 JR東日本「四季島」 カシオペアは廃止示唆(2015年6月9日、北海道新聞

 それではまた。