研究室生活・学位論文

リーダーシップ・グローカリゼーション・ホスピタリティー

Leadership, Glocalization, Hospitality... +++ 2015年5月27日、こんなラボ合同セミナーを、客員の研究員・院生の発表を交えつつ行ってみました。研究発表と討論を通して、ラボや大学の枠を越えた研究拠点をどう作っていくかのアイディアを共有すること…

研究発表はやっぱりフラットが良い-理科大の「特定研究」成果報告会から

写真は、葛飾の理科大・図書館3階のホールでの、藤嶋昭学長のご挨拶。演壇の上には、アインシュタインの一般相対性理論をモチーフにした理科大の校章のデザインされたライトがあります。 (※2015年は、「一般相対性理論」発表100周年! 校章は、太陽の重力に…

私なりの時間管理 (Time Management)

ちょうど1ヶ月後に、大学教員有志で「Time management」についてディベートする機会を得ることになり、私自身の、私なりのそれについて考えてみました。 ①仕事をやりたい順番にやる ②仕事はやりたいと思ったときにやる(それが一番速く、うまく進められる) …

出会ったすべての学生に伝えたいこと

日本の3月は、年度末の "farewell month"。歩いた数だけ発見があり、出逢った数だけ別れがあります。 先月、お世話になった先生の告別式で、そして先週、エジプトから帰国するときに多くの方から頂いたfarewell messageを見て。それら2つはまったく違うお別…

国際交流、私なりの目的

4ヶ月ぶりの国外出張に行ってきます。 今回の仕事は、先方の大学で私の研究を紹介しつつ、向こうに多数いるらしい日本で学びたいという大学(院)生を迎えやすくするプロジェクト。具体的には、国を問わずうめさん(Ume-san)と呼ばれながら、大学生・教員どう…

修士論文口頭試問のこと

一昨日、今年度の修士論文公聴会が終わりました。今日は、その「修士論文の口頭試問で何を示し、どう答えなくてはいけないのか」を書き起こしておきたいと思います。公聴会を終えたときに書くのかというツッコミを受けそうですが、次年度以降の公聴会にも、…

最近の研究室生活(2014年末に)

思えば3月に研究室を移転して、しかもその最中に留学生を迎えてなどと無謀なスケジュール(他にも無謀な試みは数知れず)をお許しいただいたこの一年も、もうすぐおしまい。昨日は、うちのラボでも忘年会でした。 みんなの今年一年の経験や工夫や成果、それ…

効果的に共同研究を進めるための、私なりのポイント

効果的な共同研究の進め方とは? 先週末の生化若手・中四国支部「秋の集い」で、事前にいただいていた質問の一つにこれがありました。これは答えたいと思いつつ答えられていなかったので、少しばかりここに書いておこうと思います。 答えは兎にも角にも、共…

やりたい仕事を呼べるようでありたい

私は先月、「誰も見ていない真実を見つけて描く―研究の極意」というエントリを書きました。今日は、これを書くきっかけになった共同研究者との打ち合わせの後、また関西での出張へ。 打ち合わせは予定より長引きましたが、楽しく有意義な時間でした。 私が生…

U-runnerの大学院教育スタンス

●キャリアパス ・生命科学系大学院生の思考と選択・四例 ・研究室・指導教員選びで大切なこと ・研究者としてやっていくのは大変なのか 実験医学Opinionから ・博士院生が考えたアカデミアか企業かの選択 ・若手研究者の結婚を支える3つのこと ・幸せな研究…

大学(院)生が「ゼミ」の準備で意識してほしいこと(2014秋)

大学院のゼミでは、学生が自身の研究の進捗を説明したり、他の論文を紹介したりということを行っているラボが多いと思います。 っていうと、「お、説明すればいいのか」「紹介すればいいのか」と思う人もいないではないようなのですが、それだけでは物足りな…

エラくなる前に「人」が見えるようになる経験を

ラボを運営する「教授」も部局を統括する「長」も、科学的にデータを読めて技術を理解できるだけじゃ全然ダメだと、常日頃から強く思います。 その人が、他の人と一緒にプロジェクトを進めていく、という立場なら、本当に。 データを読めて技術を理解できれ…

誰も見ていない真実を見つけて描く―研究の極意

ラボを出たときに頂くチャンスは、ふだんと違う教授との共同研究の計画。そこの学生に「天才」と呼ばれ、新分野の構築を窺う先生の発想の展開に触れると、トップで勝負する位置までの距離を痛感します。本当に痛いほど。 自分の言葉で、自分の描く世界を自分…

大学院教育の質保証@コペンハーゲン大学

今週、東京理科大学(神楽坂)で開かれたFDセミナーに参加してきました。内容は、コペンハーゲン大学の博士課程に在籍されている吉田実久さんによる、「大学での教授法と教育の質保証」。海の向こうの博士課程でどのような教育が行われているのか、とても勉…

机上で描かれる「研究戦略」に3つの疑問

世界における日本の論文数のシェア(割合)やその世界ランクは、低下傾向にあるというけれど。 日本と違って人口が増えている国もある一方で、絶対数という一つの尺度だけで勝負することにどれだけの意味があるのかな。「論文数」以外で勝負ができているか、…

奇跡の上に生きている

この5日間は、学会2つと結婚式をハシゴ。徳島でも姫路でも東京でも、いろいろな人に会いました。たくさん話しました。 姫路での打ち合わせで話が脱線したときに、相手方の先生と理科大の1人の後輩との縁を知りました。思わずその場で、その後輩に電話をして…

My Farewell to Ashraf & Hazem

Because I have a conference this week out of our univ, today was the last day to meet our Egyptian friends Ashraf & Hazem while their stay in Japan. They came to our lab in mid-March and worked for 6 months with us. I greatly appreciate th…

大学院のラボで学んでほしいことと、シンポジウムご案内

この3週間、中国交流、滋賀で若手交流、家族旅行に近所交流と良い出会いがたくさんあったなぁと。ここで得たエナジーで、9月から年末まで突っ走ろうと思っているところです。 そんなところで今日まとめ直した、学生に「大学院で知ってほしい自己マネジメント…

論文アクセプトを祝うべし(2014-2)

日々大学で研究をしていると色々なことに遭遇します。ときに “事件” も起こるわけですが。その理由も分かっているつもりではありますが。 どうせなら、楽しい事件でいっぱいにしたいと・・・ あれっ? ●大学院生の論文が受理されました(2014年3月) ●卒業生…

聞き手の心をつかむ技術(超初級編)

先日のエントリで、私は「何を語るかの方がずっと重要」「会話力はやっぱり、文法やリズムだけじゃない」と書きました。 「文法やリズムだけじゃない」のはたしかでしょう。しかし、いくら何でも「何を語るか」だけではないでしょ、と思うことがあり、ここに…

英語ペラペラになって、何をしゃべるの?

「英語ペラペラになって何を喋るの?」 そんなコラムを私が新潮社『フォーサイト』誌で読んだのは、6年半前。 勝負と臨んだプレゼンから3週間、今度は今週、大切なプレゼンが一つありました。完璧に準備しないと前に進めない、というようにはなりたくない。…

「ほとんど」という言葉の無意味

「ほとんど~ない。」 この言葉ほど、日常生活と研究生活とで意味合いの違うものはないかなぁ、と思います。(*1) 「○○○についてはほとんど知られていないので、○○○を~~~することを目的として研究を進めます」と言われると・・・ いや、○○○について既知の…

理大『科学フォーラム』創刊30周年記念特別号創刊!

私も何度か原稿を書かせていただいていた、我らが理科大の『科学フォーラム』。2014年7月に創刊30周年を迎えるにあたり、記念特別号が創刊されました。 非売品ですが、通常の定期購読者の他に、全国の中学・高等学校に寄贈されたという特別号です。 私が高校…

二歩後退して一歩前進でも、その一歩

学会がんばりましたー。悔しいことも多々あり、それを朝のランニングにぶつけてもいました。 が、何も新しいことを試みずに悔しいことがないよりも、ずっとマシ。 がんばってよかったなーと。そんな気持ちの週末です。 一歩前進、二歩後退。もしそうだとして…

「情報を集め」て「決める」こと

大学院生と最近の研究室生活のことを話している中で、こんな言葉が聞かれました。 「間違ってもいいから、自分の力で思考することが大切なんだなぁと」(2014年6月19日) ―我々のラボでは、うちの講師がそういうスタンスであるのもあって、「まずは自分で考…

なかなか「答え」を言わないその理由

私がラボで、学生に “なかなか答えを言わない” その理由・・・それは、学生の考える機会を最大化したいから。思考停止をさせたくないから。 これまでは大部分を暗黙の前提にしていましたが、少し明示しておいた方がいいと思って書いてみます。 +++ 学生に…

卒業生の論文が受理されました―ナノ粒子による次世代リンパ組織への影響

仮説は検証できたけど、結果は予想と逆だった等ということ。幸いにも私も、「真逆」を思いっ切り経験することができました。そんな経験をしながら、研究を進めてきたもりぞーさんとの論文が、昨日受理されました。 Shimizu R, Umezawa M, Okamoto S, Onoda A…

ラボ生活は有限、二人の幸せは末永く

昨日、ラボの後輩の結婚式に出席してきました。 私が大学院生だった間、コアに丸3年間ずつ一緒に研究をした後輩が二人いました。昨日はそのうちの一人の結婚式。同じ日に、もう一人の後輩の第一子とも初対面させてもらい、特別な気持ちをいま抱いているとこ…

「総合研究棟」式典で研究紹介@理科大野田キャンパス

昨日(2014年5月29日)、我らが理科大野田キャンパスにて、「総合研究棟(The Convergence)」オープニング式典がありました。1年ちょっと前まで基礎工学部の建物であった、旧10号館が改装されたものです。 私たちは、2ヶ月半ほど前からここを研究の拠点にし…

研究者としてやっていくのは大変なのか

先日、縁あって関西の読売テレビから、若手研究者の現状について問われることがありました。それに答えたところ、私のコメントの一部が同局の番組で、2014年4月2日に紹介されました。 「研究者の評価は、業績でしかされない。成果や結果を示せないと契約は更…