誰も見ていない真実を見つけて描く―研究の極意

 ラボを出たときに頂くチャンスは、ふだんと違う教授との共同研究の計画。そこの学生に「天才」と呼ばれ、新分野の構築を窺う先生の発想の展開に触れると、トップで勝負する位置までの距離を痛感します。本当に痛いほど。

 自分の言葉で、自分の描く世界を自分の言葉でどう表現するか。それを、自分の周りの何と重ね合わせてどう表現するか。それができなきゃ、自分の力で勝負できるチャンスなんてないのだと、はっきりと、あまりにはっきりと認識させられます。

 描きたい世界を描き切ること。それが、誰も見ていない真実を見つけることにつながる。それは“天才”にしかできないことなのか? それでも、自分でどこまで描けるか。描こうとし続けることしか、チャンスを手にできる方法はないのだけれど。

 大切なのは、「自分自身のライン」だと思う。そのラインを、自分でどう描くか。その時々で、そのラインをどう上げ下げするか。

 研究ってすごい仕事だな、と、学位取って4年半も経ったいま改めて思います。研究が、こんなに楽しい仕事だとも知らなかったので、本当に。そう思える場所にいるというのは、幸せなことですけれど。

 あ、こんなことを前に書いたんだった。
 どう表現するか―緊張しても、うまくやる―プレゼンの極意

 そんなことを、先日飛行機に乗りながら思い、改めて自分の計画を心に思い描いていました。



 ※追記: これを書いた後の昼前、生化学会(2014) 4日目の坂口志文先生のTreg特別講演、圧倒的でした。課題と仮説、デザインと検証の繰り返し。それがすべてつながっているって、ああいうことなんだと分かりました。すごかった・・・。