研究者としてやっていくのは大変なのか

 先日、縁あって関西の読売テレビから、若手研究者の現状について問われることがありました。それに答えたところ、私のコメントの一部が同局の番組で、2014年4月2日に紹介されました。

 「研究者の評価は、業績でしかされない。成果や結果を示せないと契約は更新されず、研究者として再就職は難しいのが現状」と。

 たしかに、研究費の獲得競争が(研究者にとって)激しいのは現状。研究者の職の獲得が(当人にとって)厳しいのも現状です。そんな話を受けての上の答えであったわけですが。

 どうなんでしょうか。

 「成果や結果を示せないと」の部分を読んだとき、これが「研究業績に論文を並べられないと」と同義だと思った人。是非とも、いったん研究職を離れてみることをお勧めします。
 以前のエントリでも書きましたが、「研究者としてやっていくには、論文が書けなくてはいけないのか」という問いに対する答えは、必ずしもYesではないのです。

 それ以上に、いま私が疑問に思うことがあります。○○職に一度就いたらずっと○○職を続けたいと思ったとき、それが難しくない仕事って今どれだけあるのでしょうか?

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 こんなことを聞かれることもあります。「若手研究者で研究を続けるために業績を出すというのは、大変なことなのでしょうか」と。

 私の答えはこうです。「いわゆる研究しかできない人」「研究しかやりたくない人」には大変でしょう、と。
 比較として適切でないかもしれませんが、企業に研究職として入ったとしても、その人が研究(職)を続けられるとはまったく限りません。そもそも、企業でも大学でもどこでも、研究職のポジション(つまりはニーズ)の数には限りがあるのですから。

 そんな現状にあって、研究を続けることが容易でない状況になっても、他の仕事をこなせる力をつけておくことは大切だと思います。そしてそれは、回り回って研究に活きてくることも多そうだとも感じています。

 いや、あんた他人事なのかいとツッコまれそうですが。いやいや、私が日々感じる強烈な危機感といったら!!

 その危機感については、機会があったらどなたかとの飲み会ででも、お話ししてみたいと思います。
(まだあんまり話したことはないです。たぶん。)
 そう書いている傍から、お隣・中国でのちょっとした仕事のお話が。一つ一つの仕事と向き合った先に、次のご縁を頂けていることを本当に有難く思います。
(←「すべてはつながっている」)

 連休明けて、“研究・初夏の陣”。今年度もいよいよ本格スタートです。