健康・環境
現状は “総量” で管理されている、大気中の微小粒子「PM2.5」。より効果的にそのリスクを管理するために、成分ごとの解析や監視・管理が有効である可能性は高く、今後ますます重要になると思います。これについては、2013年2月の市民講演会の中でも触れまし…
2013年10月5日(土)の午後、渋谷区立消費者センター(商工会館)にて、「ディーゼル排ガス・大気中の微少な粒子と子どもの健康」という題目で登壇します。 PM2.5などの大気汚染のモニターって、なぜ必要なの? どのようにデータを取るのが良いの? 健康リス…
8月23日(金)の午後から、割れるような、もしくは締め付けられるような頭痛。激しいというよりも、重い頭痛。頭痛に詳しい妻の問診を受けたところ、「緊張性頭痛じゃないの?」と言われました。 夏休みに緊張なんてしてないよ、とボケた返事をしてしまった…
富岡への一次立入のスクリーニング手前に広がる、この景色。一見、美しい緑に見えるかもしれません。しかし、これは決して元あった農地の姿ではありません。 4年前までの今頃は、ここにも緑の稲がぐんと背丈を伸ばしていたはずです。今ここに広がっているの…
2013年10月24日(木)18時30分から、早稲田大学・西早稲田キャンパスにて、「ナノ材料の次世代健康影響-疾病予防を目指した研究と取り組み」という題目で登壇します。 ----- ●知の市場(連携:早稲田大学規範科学総合研究所) -> 2013年度後期開講科目(PDF)…
市民科学研究室(代表理事:上田昌文さん)のウェブコンテンツに、ナノ粒子の健康リスクについての私の講演録が掲載されました。 ●『市民研通信』第17号(市民科学研究室、2013年4月) この中に、 ・「ナノ粒子の健康リスク(1) 母子伝達と次世代影響」(武…
岩波『科学』の2013年4月号にPM2.5の特集があり、私たちが執筆したものも掲載されました。 ----- ●「PM2.5の健康影響について私たちが注意したいこと」(梅澤雅和・武田健、『科学』83(4): 424-427、岩波書店、2013年4月号) ----- 本稿では、1)ディーゼル…
昨日(2013年2月27日)、環境省の専門家会合により、PM2.5の大気中濃度が上昇したときに外出自粛などの注意喚起をする暫定指針の決定がなされました。それを紹介する今朝のニュース報道の中で、うちの武田健教授の電話での声も放送されました。 武田先生の声…
日本薬学会誌の『薬学雑誌』2013年2月号に、ナノ材料の安全性評価についての薬学会シンポジウム(2012年3月、大阪大学の堤先生と吉岡先生が企画)の報告が掲載されています。 とくに pp.175-180、「ナノマテリアルの健康影響評価指針の国際動向」と題された…
私が高校生だった時分のある日、高熱(ただの風邪か疲れ)で病院に行き、生食の点滴を受けていました。熱にうなされながらも楽になってきた私に、S医師(実家近くの町医者)が私に訪ねました。 大学はどこを目指すのかと。 私は、学部は決めていないが環境と…
【お知らせ】2013年2月23日(土)、講演会にて登壇予定です。(→こちら)(講演録は→こちら) 先日Twitterにも一部書きましたが、最近改めて問題になっているPM2.5について、数値を見るときに気をつけた方がいいと思う点を挙げておきます。 私がはじめに注意…
今日、大気中微小粒子PM2.5のリスク・健康影響を考えるFoRAM(案内は→こちら)に参加してきました。 PM2.5というと、今月(2013年1月)に北京で大きく増加しており、呼吸器の不調を訴えて病院が混雑したというニュースもあったところです。 ●濃霧に包まれる…
2012年の2月に、幼少児健康教育学会で「妊娠期の脂質摂取と小児の健康に関する基礎的研究」という講演をさせて頂いて以来、栄養摂取による健康維持の課題に強く関心を持っています。 先週末(2013年1月12~13日)には、日本病態栄養学会に参加してきました。…
2013年2月23日(土)の午後、渋谷で開催されるシンポジウムで講演させていただきます。市民科学研究室の上田昌文さんにお招きいただき、機会を頂くことになりました。 意気込みを示すのを兼ねて、告知させていただきます。 ----- ●ナノ粒子の健康リスク ~母…
私の最近の関心事の一つは、大気汚染という環境リスクに、高感受性集団を考慮しながら対応するにはどうしたらいいのかということです。 ここでは、以下の4点について調べてみたことを列挙してみます。 A)大気環境による健康影響を受けやすい高感受性集団と…
私の周りで好評の『医薬品クライシス』(佐藤健太郎著、新潮新書、2010)。少し出遅れた感はありますが、ここでも取り上げたいと思います。 最近は私も、大学の後輩や友人から業界の話を聞けるようになりました。加えて、私自身学位を取って2年半経った今読…
岩波『科学』の2012年10月号に、ナノ材料のリスク評価についての私の論考を掲載させていただきました。 ----- ●「ナノ材料による次世代健康影響とリスク管理への課題」(梅澤雅和、『科学』82(10): 1098-1103、岩波書店、2012年10月号) ----- 内容は、今年3…
先日、『「ゼロリスク」の罠』の感想を書いたところ、お世話になっている臨床の先生の一人が、Facebookから次のようなご意見をくださいました。 ----- リスクを被る側の人間の感受性の違い(年齢、性、遺伝子多型、民族の相違など)によって、各個人が実際に…
佐藤健太郎氏著の『「ゼロリスク社会」の罠』(光文社新書、2012)を読みました。 最近10年間ほどの間に話題になった「危険」「リスク」「健康被害」について一つの“総括”とも言える解説がなされており、現代のリスクの状況を把握するのに必読の書です。 い…
私は、発達障害患者が特別のクラスや施設に入ることなく、他の多くの人と同じ機会にアクセス可能になることを望んでいます。 このとき、変化の影響を当然ながら患者自身が受けることに注意が必要になります。結果として何がどのように変わるのかについて、注…
『科学』(岩波書店)2012年1月号(82巻1号)の特集「リスクの語られ方」が、とても勉強になります。科学者として「当たり前」とされる態度を取ることが容易ではないことを再認識させられ、当たり前のことができているのかの自省を促される特集でもあります。…
小児の発達障害の問題に取り組む人は、どういう場所にいそうかを考えてみました。 ・産科 ・小児科 ・精神科 ・幼児保育 ・障害児保育 ・初等(~中等)教育 ・患者・保護者の会(当事者と家族) ・医学・薬学・生物学系研究機関 ・周産期医学会 ・脳神経科…
環境リスクの問題に実際に対応することは、なぜ困難を伴うのでしょうか。 その明確な答えの一つとして、「科学的データが、すべて『不確実性』を内包している」(→参考:辻信一先生講義『化学物質管理政策』、2012年5月) からである、ということができます…
今日、この@sivad氏のツイートが私の目を引きました。 ----- 『どうかみなさん、「データがないから何もしない」ということは、科学の悪のイデオロギーとしてとらえてください。』 / “環境の世紀VIII-環境学におけるデータの不充分性と意思決定(松原望)-”…
私は今週、周産期医学に浸かる1週間を過ごします。フランス・パリで開かれる第23回欧州周産期医学会議に参加し、学生と研究発表をしてきます。 私は、これまでにもここに書いてきたように「子どもの健康」や「それを脅かす出生前後の環境要因」に強い関心を…
先日、辻信一先生(名古屋大学・グリーンモビリティ連携研究センター)の講義を聴く機会がありました。内容は、最近40年間(1972年ごろ~)の日本の化学物質管理政策や環境対策についてのものだったのですが、私がこの分野で疑問に思っていたことを“ズバリ”…
2012年5月8日(火)、初めて大学での講義を担当しました。薬学研究や大学院修了後の仕事を、「どうしたら人の健康を守るためのものにできるのか」、「どうしたらそれで社会を変えることができるのか」について学生さんの課題提起を促すことを期待し、私の課…
私はこれまで、リスク管理について、とくに環境リスクの例を挙げてここで解説してきました。しかし、私はまだ大学院に入ってからでさえ7年目の“新参者”です。もっと歴史から学びたいことがたくさんあると、実感させられることも少なくありません。 そこで、…
・「リスクという考え方」は不幸を起こさないための知恵である ・「リスク」は比較が可能 ・「リスクの比較」は選択にヒントを与える その通りだと思います。そうなのです、が。 リスクは「どうしたら」「どのように」比較できるのか。これを実行できるいく…
今日は、理科大の後輩たちが主催している“健康に寄与する仕事について本気で考える”集まり「SKIP」に参加してきました。 私自身、次のタイトルでの発表をさせて頂きました。 「多様な健康を捉える研究を 多様な健康を受け入れる社会を」 そこで私が伝えたか…