第5回SKIP@上野

 今日は、理科大の後輩たちが主催している“健康に寄与する仕事について本気で考える”集まり「SKIP」に参加してきました。
 私自身、次のタイトルでの発表をさせて頂きました。

 「多様な健康を捉える研究を 多様な健康を受け入れる社会を」

 そこで私が伝えたかったのは、「治せるようになった疾病がある。予防できるようになった疾病もある。しかし、まだ対策のできない疾病にどうアプローチする?」ということです。人が相対するために、新しい知見や方法論が必要な疾病はまだいくつもあります。その新しい“知”を生み出すためには、自然科学的・社会学的な研究や新しい取り組みが必要です。それを実現するために、分野横断的な研究をしたり、新しい取り組みをサポートしたりしたいというのが私の想いです。
 そんな課題提起型の私の話を、今日の集まりの始めにさせて頂きました。

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 私以外の講演者のお話は、各々の取り組みを紹介して頂く成果発表型のお話でした。それは、人の生活習慣病の根本治療をしたり予防したりするお仕事をされている例の紹介でした。「人の生活習慣を変えること」や「疾病に罹る前からの予防(行動)を人に促すこと」は決して容易ではありません。それを事業として成功させている方のお話は、とても刺激的なものでした。

 ただ本当は、私の話は集まりの始めではなく、成果発表型の講演の後にした方が良かったかと思ったのが心残りです。生活習慣だけでは対応できなかったり、予防の方法が見出されていない疾病がまだいくつもあるのも事実なのです。

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 成果発表型のお話に話題を移すと、私はそこから、うまくいった成功事例の裏にどのような失敗事例があるのかを聞きたいと思い、情報や意見の交換をしました。失敗事例をまとめ、どういう場合に何がうまくいかないのかを体系立てて整理することが、生活習慣の改善や予防医学の動きをより効果的にするために有効ではないかと私は思うのです。

 よく、取り組みの成功数やその「率」に注目したりそれを強調したりすることはあると思います。もちろん、これらが高いことは素晴らしいことです。しかし、一方で実際の個人個人にとって大事なのは高い成功「率」ではなく、自身が“成功できるか否か”の「二択」です。個々人がどうしたら失敗を防げるかというのは、生活改善や疾病対応をする上で重要であると思います。そして、その失敗を防ぐヒントは、失敗事例にあると私は思います。そこで、この事例がまとめられて共有できたり、発信したりする機会をどこかに作れたらいいと私は思いました。

 ・・・よし、提案しよう!

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 私は発表の中で、いくつかの私のブログ記事の紹介をさせて頂きました。話では省略した私の考えや想いが、少しでも聞き手に伝わってくれたら、そしてできればご意見を頂ければ嬉しく思います。

健康って何?(2011年6月)
 -紹介したものの、ここではこの問いに対して一言しか触れていませんが。
次世代健康科学・健康教育を考える(2012年2月)
発達「障害」と言わざるを得ないのか(2012年2月)
 -“多様な健康を受け入れる社会を”