PM2.5注意喚起時に取れる対応

 昨日(2013年2月27日)、環境省の専門家会合により、PM2.5の大気中濃度が上昇したときに外出自粛などの注意喚起をする暫定指針の決定がなされました。それを紹介する今朝のニュース報道の中で、うちの武田健教授の電話での声も放送されました。

 武田先生の声で伝えられたのはほんの一部でしたが、

 ①呼吸器や心血管・循環器系に疾病を持つ人がとくに注意すべきであること
 ②PM2.5はタバコの煙に大量に含まれてもいるものであること
 ③PM2.5は一般的に道路沿道で多いこと
 ④濃度上昇時の対応としてマスクが有効であること。

 それらが、ニュースという限られた時間内で視聴者に伝わっていれば良かったと思います。

 PM2.5濃度の高いときの対策は、できれば「外出を控える」とともに、「屋外の空気を取り入れる換気を控える」こと
(国立環境研・大原氏@NHKクローズアップ現代:2013年2月26日OAから)
 あとは、外出する際のマスク着用です。私たちには、屋外に出ないわけにはいかない場面もあります。そのときに打つ手がないわけではないのです。


 ・"Simple respiratory protection--evaluation of the filtration performance of cloth masks and common fabric materials against 20-1000 nm size particles" by Rengasamy et al. Ann Occup Hyg (2010)
 ・"A randomised controlled pilot study to compare filtration factor of a novel non-fit-tested high-efficiency particulate air (HEPA) filtering facemask with a fit-tested N95 mask" by Au et al. J Hosp Infect (2010)

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 なお、冒頭に紹介した「ニュース」は、今朝(2013年2月28日)の「めざましテレビ」。先週から、私たちはフジテレビの取材を受けていました。今朝放送された内容は、その取材でお話した内容の一部です。

 最後に、報道で「35 μg/m3 がPM2.5の基準値」とよく聞くのですが、これも注意が必要な点です。もし “35” が毎日1年間続いたら、それは看過できないことですので。

 ●参考→「PM2.5-健康影響の懸念と数値解釈の注意点」(2013年2月16日)
 ●環境省微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
 ●岩波『科学』4月号にPM2.5の特集(2013年4月5日)