岩波『科学』の2013年4月号にPM2.5の特集があり、私たちが執筆したものも掲載されました。
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●「PM2.5の健康影響について私たちが注意したいこと」(梅澤雅和・武田健、『科学』83(4): 424-427、岩波書店、2013年4月号)
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本稿では、1)ディーゼル排ガスを用いたマウスでの影響調査から考えられる次世代影響の懸念を述べたほか、2)PM2.5の健康影響についての疫学の知見と、3)北京や日本の現状について記しました。
とくに、日本でもPM2.5濃度の環境基準値超過は、今年に限ったことではないのです。ニュースなどの報道(今は1~3月に比べると落ち着きましたが)を見聞きするときには、その点にも注意が必要であったと思います。(※今年に限ったことではないから、問題ではない、というわけではありません。)
この点は、同じ特集にある大原利眞氏(国立環境研)の「最近のPM2.5汚染問題をどのように考えるか?」でより詳細に述べられています。こちらには、最近の日本におけるPM2.5の状況や越境汚染の寄与、さらに「中国の大気汚染は他人事の問題か?」という内容が、詳細かつ簡潔に述べられていて必読です。
また、ナノ粒子の健康影響・母子伝達については、私たちの同誌2012年10月号に掲載された稿もご参照いただければ幸いです。
●岩波『科学』2012.10月号に「ナノ材料による次世代健康影響とリスク管理への課題」(2013年10月4日)
今月号の私たちの稿では、以上を説明したうえで次の2点にも触れました。
●PM2.5-健康影響の懸念と数値解釈の注意点(2013年2月16日)
※2013年9月18日、岩波『科学』4月号記事の補足説明も兼ねて、追記しました。
●PM2.5注意喚起時に取れる対応(2013年2月28日)
今年のPM2.5報道に関心を持った多くの方にご覧いただければ、またご意見を頂ければ嬉しく思います。
●追記: 『市民研通信』2013.4月号に「ナノ粒子の健康リスク」(2013年4月16日)