小さい人たちの学校の夏休みが終わっての、9月ももう下旬。秋から年末への次のステージに向けてそれぞれが頑張る時季になりました。
昨年までうちの小学生だった人は、今年中学1年生になり、青春18きっぷで旅をするのが念願だったとのこと。夏にその時間を手に入れて、普通列車・快速列車で日本のいくつかの地域を回っていたようでした。さすがにまだ一人では宿が入れてくれないので、私が小学1年生(こちらは水族館が好き)と飛行機で先回りして、夕方には合流するというプランで。
旅の終盤に中学生は、完全に私たちと旅程を別にして、単身で長野の親戚の家に寄って東京の方に帰ってきました。長野から東京に帰る最終日も、もちろんすぐには帰って来ず。小諸から、JRの最高地点がある野辺山に寄り(小海線)、
そこから小淵沢、甲府と寄って、甲府から東京へも中央線で真っ直ぐ帰るのでなく、
富士山の麓の富士宮の方を経由して富士経由で(身延線)。そこからもまだまだ真っ直ぐ東海道線で帰ることはせず、沼津から御殿場を経由して(御殿場線)、熱海も小田原も通らずに帰ってきたようです。
この御殿場線での国府津までがJR東海。そこまでが、首都圏の慣れたJR東日本の雰囲気と違ったなぁということで、その区間が終わる頃に楽しかった旅程を思い返して少し涙が出てきてしまったそうです。
でも楽しい旅程も楽しいことばかりはないんですね。なんと、道中で写真を撮ったり連絡をとったりしていたスマホの充電が、家までの旅程1時間を残して残り1%になってしまったとのこと(しかも夕方過ぎ)。家に着く前にこれは大変なことだと(家族への連絡はまだしも、まだ撮りたい写真があったことでしょう)、それでまだ涙していたそうです。
しかし優しい人もいるもので、ホームでの電車待ちで少し泣いていたらすぐ後ろにいたお兄さんが声を掛けてくれたそうで、なんとなんとモバイルバッテリーを貸してくれたのだそうです。電車もそこから同じ方面に行く人だったので、乗ってからもしばらくそのバッテリーを貸してくれて、スマホの充電ができたのだとか。通りすがりの人にモバイルバッテリーを借りるなんて、そんなことあります!? なかなか無いような・・・少なくとも、私はこれまで一度もありません。
+++
この話を本人から聞いてすごく感じたのは、自分で何かやりたいことを選ぶことの力の大きさです。自分がやって楽しいと思うことを、選んでやっていくことの力。帰る前に家族に連絡を取るべきスマホの充電が、帰る前に切れてしまった。本人はそんなことも、帰ってきてから思い出として楽しそうに話していたのですが、 これがもし、自分で選んだ旅の道でなかったとしたら、そんな楽しそうに話すことは無かったと思うんですよね。
その道、その方法を自分で選ぶことこそが、自分が何か壁にぶち当たったときに乗り越える後押しをしてくれたり、壁を越える楽しさを本人に感じさせてくれるのではないかと思うのです。
自分で選んで何かをやることが、目の前に現れる壁も受け入れて、その先の成果にその人の行動を導いてくれるんだなと。それは素晴らしいことだなと改めて思いながら、中学1年生からその話を聞いていたのでした。
旅と言えば、私が初めて日本以外への旅行をしたのが大学4年生のときで、行き先はスイス。日本語のない場所では、ホテルへのチェックインの方法も分からずに色々大変ではあったのですが(よくそんなんで一人で行ったわ。)、鉄道で山を登って氷河を見に行こうと思っていた日の朝のこと。小さな朝食会場で、スタッフの人が「持ってきな~」とリンゴを持たせてくれたんですね。
何かをやりたくて、楽しそうにしていれば、誰かが手を差し伸べて支えてくれる。「やりたい」という気持ちは出会いもくれる。だから、自分のやりたいことはいつも大切にしたいし、他の人が自分はこれをやりたいと思っていることも大切にしたいものです。
なお、今夏青春18きっぷを謳歌して少し涙した中学1年生は、小学校を卒業する前の楽しいイベント(クラブ活動「なわとびクラブ」)の最終回を終えての帰り道で、楽しかった気持ちと寂しい気持ちで涙をこぼしながら帰宅していたそうです。
その「やりたい」と思う気持ちを大切に。
___
※ PS. 野辺山と身延の写真は、中学生が撮って送ってきたものを、本人の許可を得て載せました。
※ PS. 今月、スタエフ始めました。