栄養摂取・食事と健康(ニュース、統計、指針)

 2012年の2月に、幼少児健康教育学会で「妊娠期の脂質摂取と小児の健康に関する基礎的研究」という講演をさせて頂いて以来、栄養摂取による健康維持の課題に強く関心を持っています。

 先週末(2013年1月12~13日)には、日本病態栄養学会に参加してきました。次の2人の先生方の言葉が心に残りました。
 「薬剤投与下では栄養摂取の管理方法が異なることへの注意・理解を。」(中屋豊先生、徳島大院)
 「トクホを活用するのであれば、売り文句ではなく『目的に合った関与成分』で選ぶこと。1日目安摂取量を確認すること。」(山本國夫先生、甲子園大学

 最近では、このようなニュースもありました。

発展途上国でも生活習慣病、栄養失調より健康を脅かすリスク上位に(2012年12月17日)
 2009年(WHO報告の解説→こちら)から、理解が変わってきたと言えそうです。

 他にも資料を、研究室の学生が紹介してくれたも含めていくつか。

世界における「死因トップ10」(WHO)
 死因率として心血管疾患の高いこと! 心血管疾患の原因には、「生活習慣」と呼ばれるものも少なからず係わっています。ただし、"Low-income countries" では呼吸器感染症が第一位、下痢性疾患が第二位。

感染症、自己免疫疾患、アレルギー疾患の罹患率の変遷-Bach JF: NEJM 347: 911-920 (2002)
 20世紀後半にはたしかに感染症の罹患が減った一方で、自己免疫疾患やアレルギー疾患が増えました。栄養摂取・食事との関係は直接的ではないかもしれませんが、衛生学として重要な知見です。

日本人の摂取栄養素の時代的変遷-(摂取総カロリー,蛋白,脂質,炭水化物比の経年変化)
 1960年以降、たしかに脂質の摂取量が劇的に増加しています。ただし、2005年以降のデータも気になるところです。そして、脂肪ってそんなに美味しいのですか…(?)

妊産婦のための食生活指針 ―「健やか親子21」推進検討会報告書―厚生労働省
 「妊娠前から、健康なからだづくりを」 できるものなら、皆やってるはず。その現状で、うまくできない人はどうするか、が大切なのですが。

日本人の食事摂取基準厚生労働省
 食事摂取基準は、2006年から「栄養所要量」に代わり策定されています。現行のものは2010年版。