津山の扇形機関庫~姫路城前のイルミネーション

 2023年末に行ってきた、1年ぶりの姫路。コロナ対策が明けていなかった2022年末と違い、姫路城前の通りもイルミネーション! 1年前と比べて日本人以外の来訪者も多く見られて、嬉しい限りでした。


 現存の天守で最大という姫路城はやはり大きく、天守台に立つ建物の高さが31.5m、石垣に囲われた天守台と合わせると46mあります。戦前・戦中は金沢や広島と同じようにここも軍事拠点だったので、空襲の優先的な標的になっていたはずのところ。城の周囲全体をただの森に見せかける覆いをしたために、姫路城は空襲による消失を免れたという、まるでウソのようなホントの歴史もあります。今年(2023年)は備前門が修復を終え、白い瓦で取り戻した元の姿が映えていました。


 水堀に映る天守も最高。これは大手門側からですが、東の喜斎門側も堀に映して天守を観るおすすめスポットです。

 この姫路の前に、昨年は月曜の休館日で入れなかった岡山・津山「まなびの鉄道館」の扇形転車台を今回は見学したくて、1年ぶりに来たのでした。


 津山まなびの鉄道館は、ディーゼル車の宝庫。中国地方の山間地域の交通の要衝としての素晴らしい施設を見学できます。岡山県内の鉄道の歴史の説明も興味深く、1891年の神戸-岡山間の開通では、ここを馬車で片道3日かかっていたのが鉄道でいきなり5時間に短縮されたとか。さらに西の広島方面への延伸と合わせて、瀬戸内海の航路との競争で、食堂車や寝台車など豊富なサービスも整っていったのだとか。


 まだ車も飛行機も便利でなかった時代に、鉄道がもたらしたインパクトの大きさを実感する場所です。とはいえ当時、煙を吐く蒸気機関車が街の中を走るのが忌避されて、鉄道駅が街を離れて置かれた例は山ほどあったわけですけれど。


 津山駅にある、そんな蒸気機関車時代の機関庫の模型。今は非電化区間の機関車というとディーゼル駆動になりましたが、蒸気機関車の時代は機関庫の屋根に煙突があったのが分かります。


 そんな地域の交通の要衝に位置する津山ですが、今は津山線(岡山~津山)、姫新線(姫路~新見)、因美線(津山~鳥取)がそれぞれ1日に8~20本程度。なぜ鉄道が便利になり切れなかったのかを、ローカル線に乗ってみると実感もできるところでもあります。


 というのも、津山から佐用に向かう姫新線では、吉井川水系(津山側)から千種川水系(佐用側)に抜けるところで、短くない時速25km制限の区間が複数続くんですね。これは勾配に強くなく、曲がり道が多くなる鉄道の山道ならでは。前回はレンタカーで移動した津山~姫路の行程でしたが、時間のある旅ではローカル線も面白いものでした。しかし、降雪時など車の道一本では弱くなってしまう地方の交通確保のためにも、こういう路線に頑張ってもらいたいものだと思います。
 そんなこんなと、2023年は前年末に房総のいすみ鉄道線を訪れて以来、群馬・横川京都敦賀(福井)北海道の日高や音威子府九州・門司港など鉄道の資料館をいくつか回れた1年でした。


 佐用からは、時間的な限界もあり最高時速130kmのスーパーはくとでワープ。こちらは山道をトンネルでぶち抜いた智頭急行経由です。翌日の姫路で、城址公園や手柄山の水族館などを楽しんだのでした。

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 姫路からは、今は山陽新幹線「こだま」だけで乗れる500系車両で西へ。「ハローキティ新幹線」で、長い時間のかかる西行道中を小さい人も楽しく過ごしました。登場したときは、初めての時速300km運転をする飛行機のような車体が話題だった500系車両が、他の車両と座席並びが合わずに運用が難しかったために、今は山陽区間の各駅停車のみの運用で一部は娯楽列車に。


 それでも、乗り心地もよくてさすがは当時の話題車両でした。(西へつづく