【房総】大多喜ーローカル鉄道と本多忠勝とタケノコの町

 鴨川シーワールドの帰りに寄ったのはいすみ鉄道の駅。この鉄道は房総半島の内陸部の中で、古い気動車ディーゼル車両)などで魅せてくれる鉄道で、大原(外房)と上総中野(養老渓谷と大多喜の間)を結んでいます。


 国吉駅。めでたい名前だと思ったら駅のすぐ横にこの地域の中心となる上総出雲大社があるようです。停まっているのは黄色い「菜の花列車」に、国鉄時代の気動車キハ30系。

 3駅隣の大多喜駅はいすみ線の中心駅で、


 留置線の横では、城址への玄関口として大手門が迎えてくれます。こちらに停まっているのは、国鉄車両風の外観で導入された新型車両(右)と、1965~2010年に北陸地方で活躍した後、今は観光急行として使われているという車両(左)。

 地方の鉄道は採算のとれていない所が多く、このいすみ鉄道もその例に漏れません。2022年10月の『週刊東洋経済』にその状況が解説されていましたが、そこには1日あたりの「平均通過人員」つまり乗客数のワースト99線区が。その中には、私も数年前に乗って楽しかった陸羽東線「鳴子温泉〜最上」があり、しかもその順位が下から5番目の「ワースト5」でビックリ……

 そんな中で、いすみ鉄道気動車を保存して見せることに価値を見出して、クラウドファンディングなどもしていたようです。

 赤字に困る路線はもう輸送機関の役割でなく、鉄道車両の歴史や地域独自の食事を体験などできるテーマパーク的な戦略をとったらいいのにな、と思うことがあります。一日乗車券1200円などと言っていないで、貴重な車両で移動できる体験を1万円とか。二日券のプランなんかも準備すれば、宿泊を促しての地域貢献もあり得ると思うのですが、どうなんでしょうね。貴重な車両を走らせたりとか、季節限定企画をやったりとかしてさ。

 そういったことをできずに残念なことになりそうな路線は北にも。

 季節は違いますが、いすみ鉄道の大多喜には一昨年の春(4月上旬)にも来ていました。目当ては本多忠勝ゆかりの大多喜城


 また良い季節に来たいと思いますが、大多喜城の資料館は2020年のコロナ休館に続き、2022年からは改修で休館しているようです。

 4月上旬に来たときは、駅前の観光案内所で販売していたタケノコを買って、帰ってワカメと一緒に味噌汁にしたらとても美味しかったのが良い思い出。それ以来春にはタケノコを買ってそれを作っているのですが、私にとってはその美味しさを教えてくれたのが大多喜でした。


 また来たいと思います。