京都駅西側の「796年」と「2016年」

 2023年5月の最後の週末に行ってきた京都。群馬・横川に続いて鉄道の歴史のわかる諸々に行くぞと言いつつ、


 意気込んで行ってきました。N700Sで。


 N700Sは初めて乗りましたが、中も少しおしゃれ。2016年に引退した新幹線車両との大きな違いも実感します。

 この2016年は一度置いておいて、今回泊まった場所は京都駅から徒歩圏内でと探して見つけた近鉄の線路沿い。近鉄で京都駅の隣の「東寺」の手前だったので、朝一にそちらにも足を伸ばしてきました。


 東寺の五重塔。お寺の象徴的存在ですが、奈良と比べて京都に五重塔は多くありません。他にあるのは仁和寺八坂の塔醍醐寺くらいでしょうか。高さが 54.8m あるこの東寺の五重塔が、高さでは日本最大の木造建築。


 金堂と講堂。大きいものだけでも講堂に大日如来金剛波羅蜜多、不動明王、金堂に薬師如来日光菩薩月光菩薩と国宝の数々が。歴史が好きで国宝の有り難みの分かる人と一緒に歩くと、その素晴らしさがより感じられます。

 これだけのものが東寺にあるのは、ここが創建されたのが796年であることと無関係ではありません。796年というと、桓武天皇の時代の平安遷都(794年)のわずか2年後。平安時代以降のずべてを見てきた京都の中心の寺院と言えるでしょう。私自身は中学生のときの修学旅行で、目の前に「東寺行き」のバスが来たという理由でここにお参りに来たのですが、そんなに素晴らしいお寺だったとは。


 弘法大師像。嵯峨天皇が823年に、唐から戻った弘法大師空海に東寺を託したことを伝えています。

 さて、同じく今の京都駅の西側に、時代は変わって2016年に開業したものは何でしょうか。


 それは梅小路京都鉄道博物館。京都駅西側の梅小路公園に機関車庫が以前からあったのですが、その機関車庫が2016年にリニューアルし、鉄道博物館になっています。


 0系新幹線のトップナンバー! 日本で一番初めに製造された新幹線車両。元々は秋葉原万世橋鉄道博物館(今はない)にあったものが、今は京都で保管されたものです。(と、興味津々なうちの小学生が言っております。) この車両は、

  • 前照灯を赤い尾灯に切り替えるのに、赤いフィルターを通すつくりになっていたり、
  • 車体が重厚な鋼鉄製だったり(100系も鋼鉄。東海道新幹線から8年遅れの東北・上越新幹線に使われた200系からアルミ合金の使用が始まった)、
  • 開業当初は行先幕もなく、板を枠に差し込む形だったり

と、知れば知るほど面白いです。また見に行きたいなぁ。


 国鉄時代の車両に並んで、横面の丸い航空機のような500系新幹線に、


 大阪と札幌を結んでいた寝台特急トワイライトエクスプレス(1989~2015年)の24系客車。それに機関車の運転台まで。都心の鉄道の博物館と違い広々としていて、子連れで安心して見学できました。


 また、博物館2階や周りに広がる梅小路公園では、京都市内を昔走っていた市電の歴史を伝える写真や当時の路線図などの展示もあり楽しめました。京都にも路面電車が走っていた時代があったのですね。

 この後は、市電ではないものの少し残っている路面電車に乗って行ける、いつもの場所への再訪に続きます。

(7年前 ↓)

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 PS. 796年と2016年は、和暦で言うと延暦15年平成28年。この「平成」と「延暦」は、歴代で4番目と5番目に長い元号とのことです(2023年現在)。平成は31年までで、桓武天皇の代の延暦は25年まで(782~806年)。