【北欧】船と鉄道でスウェーデン(ヘルシンボリ~ルンド)と、空からデンマーク

 デンマークにいた先週、最後の午後はHelsingør(ヘルシンオア)での会議が空いていたので、初めて対岸のスウェーデンに足を伸ばしました。昨年7月初めの日曜の朝、ヘルシンオアに着く電車からたくさんの人たちが、大きなバックパックを持って船に向かうのを見て私も行きたいと思っていたのです。


 Helsingørに着く船。両国間を移動する車も多数乗り、到着に備えてスタンバイしています。


 突き出した岬に浮かぶKronborg(クロンボー城)。この午後、会議に出席されていた先生方の多くは会場近くだったここを回っていたはず。「城の周りは石畳なのでハイヒールでは来ないように~」という案内がありました。


 Kronborgの中は昨年見学しましたが、中の展示も素晴らしかったです。もっとも、1922年まで140年ほどは王の居城でなく、戦略的な要塞として使われたのでこの雰囲気ではなかったようですが。

 HelsingørからØresund(エーレスンド海峡)を挟んで、スウェーデンのHelsingborg(ヘルシンボリ)まではわずか5km。料金30DKK(約500円)の船で行き来できます。船は15分ごとに運行されているようですが、直前の欠航もあるのか私たちは今回20分ちょっと船を待ちました。このHelsingør(デンマーク)から、25分ほどで着いたスウェーデンのHelsingborg。



 ここから限られた時間を惜しみ、歴史ある大学町Lund(ルンド)に向かいました。



 HelsingborgからLundまで、買った鉄道のチケットは90SEK(約1150円)。あとで調べたら、もっと安い24時間券とかもあるのでしょうか。何も調べずに行ったので今でも分かっていませんが、これ?⇒「スウェーデンで電車に安く乗る – Skånetrafiken24時間パス
(「Malmö」や「Helsingborg」などの行き先を選んだ後「More options」→「24 hours ticket」と進めば買える? 有効エリアに注意。)


 まぁ乗った列車も快適だったのでヨシとしようと思っていたところ・・・

 これ、駅で購入した90SEKチケットでは乗れない列車だったようでした。予定より船が遅れ、とにかく行き先(Destination)の「Lund」表示だけを見て私たちが乗ったのは、上のHelsingborg15:51発の列車です。しかし、その車内検札で言われたのは「これは違う会社の列車だ。まぁLundは次の駅だから、ちゃんと降りなさい」とのこと。
 あとで上の写真を見ると、乗っていたのはスウェーデンの新幹線に相当し、事前の予約が必須のSJ高速鉄道「SJ Snabb Spårändrat (Snabbtåg)」だったようです。本当に知りませんでした・・・。

SJ高速鉄道(Eurail)

 なお、駅にあった発車時刻表をあとで解読したところ、
 SJ Snabb Spårändrat: SJ高速鉄道。HelsingborgからLundまで途中停まらず、50kmちょっとある道程を所要25分弱。この区間でも最速175km/hで爆走しました。
 Öresundståg: スウェーデンの西側を走っているらしい快速列車。この後デンマークに戻るときには検札でもOKだったので、これは普通の切符で乗れるはず。HelsingborgからLundまで途中、Landskronaなど1~3駅ほどに停まるらしい。所要30分弱。ということは、これも速度はSJ Snabbと同じくらいか。
 Pågatåg: 普通列車。Helsingborg~Lund間で途中9駅停まり、所要40分ほど。どれもスピードは速そうです。

 スウェーデンの列車はICやIR(Intercity、Interregio:特急と急行のようなもの)も、デンマークやスイスと違って全車座席指定なのでしょうか(→スウェーデンの電車・地下鉄・鉄道情報)。次に行くときがあればよく調べて行きたいと思います。


 何はともあれ、到着したLund中央駅。


 こっちの方がスマートな優等列車に見える気がするのですが、この角のない青い方が普通列車なのだそうで。しかも、有料ながら車中に自転車を置くスペースもあるとのことです。


 Lundの町は、赤レンガと白い石造りの建物が多く並ぶデンマークコペンハーゲンやヘルシンオア)と、ちょっと雰囲気が違っていて、来れただけで何だか感激してしまいました。


 駅から東に300mほど進んだ通り。感激し過ぎて、ここまで歩いて20分近くかかりましたが。


 創立1666年のルンド大学。元は隣にある大聖堂の神学校として始まったもので、その設立は1425年(学士号授与が始まったのは1438年)。


 1145年建造のルンド大聖堂。この黒がかった色は、建造以来の時間が経ったことでついたものなのだとか。




 15世紀から動いているという天文時計。毎日15時に仕掛けが動くそうです。


 町の道の多くは石畳。


 大きくはない町ですが、色々と見応えがあるところでした。


 Googleの経路検索すごい。



 で、この後鉄道のØresundsbroen(エーレスンド大橋)で海を越え、デンマークに戻りました。Lundから列車Öresundståg(Ö-tåg)に乗ると、デンマークコペンハーゲン空港まで35分ほどです。料金は先ほどの船よりもだいぶ高く、140SEK(1800円ほど)。全長8 km近くあるこの橋の姿を、列車に乗りながらは見られなかったのが残念だったのですが。続きは翌日、デンマークから帰国したときのことです。

 金曜の夕方のうちに自宅に戻りたいとはいえ、デンマークから日本に帰るのにロンドン経由とずいぶん遠回りなのをやや後悔していたところ、まずヒースローに着く前に飛行機からロンドン市街をきれいに見渡せたのでした。ビッグベン、ロンドン・アイ(観覧車)に大きなWaterlooの駅まで見えて、これまた感激していたわけですが。



 さらにロンドンから乗った羽田行きJL44の便がまっすぐ向かう先には、再びのデンマーク。夕暮れ時のここを上からもう一度見られるという、嬉しい出来事がありました。


 バルト海から北海(大西洋)への出口に位置するデンマーク。まずはコペンハーゲンのあるSjælland(シェラン島)から西の、Fyn(フュン島)に架かるStorebæltsbroen(大ベルト橋)が見えてきて、

 見えました! バルト海に架かり東のスウェーデンに繋がるØresundsbroen。橋の西側がコペンハーゲンで、その北の海峡が狭くなっている所にヘルシンオア(西)とヘルシンボリ(東)があります。

 国際線も直行便ばかりでなく、乗り継いでの行き来も悪くないと思った時間でした。



 なお、デンマークと言えばLEGO(レゴ)発祥の地。お菓子に興味のない5歳児にはこれをお土産にしようと思って、コペンハーゲンの空港で一つ買って帰りました。本人の行ったことのない所よりも行ったことのある方をと思い、買ったのはロンドンのセット。


 二晩でクリアされ、タワーブリッジには恐竜が毎日闊歩しています。それを見ながら、恐竜がテロも未然に踏み潰してくれたらいいのになどと思うこともあります。左手前の赤いバスは、3ヶ月前に連れていったとき交通博物館で買ったもの。

 またお会いしたいものです。


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 ※おまけ: 町で拾った単語比べ


 ※2018年5月追記
 hjertelig tillykke =おめでとうございます。tillykkeが「おめでとう」で、hjerteligは「心からの」。
 gratulerarも「おめでとう」。
 で、"Må solen skinne hele dagen." といった言葉を添えるらしい。Måは「5月の」、solen=太陽。skinne = shine「輝く」、hele dagen = all day「一日中」。