台湾新幹線で南へ(2016.12.31)

 今週まで10日間ほど、台湾からラボの共同研究先の先生が来ていました。台湾は私が1ヶ月前に訪れたばかりで、台湾での漢字の読み方も知名くらいは分かったことには先方も(そして私も)驚きつつ、喜んでもらえました。
 初対面ながら互いの研究の話をしつつ、お互いの国の話をする時間も楽しいものでした。例えば、台湾の新幹線は車輌が日本と共同で開発されたもので、車体も東海道・山陽新幹線の「700系」がベースになっているそうなのですが、


 @南港駅

 高鉄の英語名であるHSR (high speed railway) の名を言っても台湾の先生になかなか通じないのですね。逆に通じたら「あぁ、新幹線のことだよね!」と(英語で)返されるくらいでした。「新幹線」の名を押し付けたくないと心のどこかで思いつつ、新幹線の価値と名前を共有していると感じられて、嬉しく思う一幕でした。

 私が旅行したときの滞在先は台北市内でしたが大晦日にこの台湾高鉄に乗り、南の高雄にも行ってきました。


 橙色に暖かい台湾の雰囲気を感じられて、「これぞ台湾の新幹線」という雰囲気。@左營駅

 この台湾の新幹線、乗るには外国人向けの高鉄周遊券がお得です。ただし、この購入を日本で済ませるためには、遅くても4, 5日前には購入・クレジット支払いを済ませておかなければいけませんでした。私がこれに今回気がついたのが出発直前だったので、周遊券(パス)は台北市内の観光ついでに中山のJTB Mybusデスクで購入しました。しかし、レート次第ではあるもののパスは日本を発つ前に買った方が安く買えたようです。

 台北→左營(南行き)の新幹線に乗ったのは、大晦日の午前中。しかし、座席を指定しておこうと思ったところ前日では取れなかったので、台北でなく東の始発駅・南港から自由席に乗りました。南港を出たとき空きの多かった自由席は、市の中心である台北車站でいっぱいになったのでこれは正解。南港駅は地下鉄 (MRT) の南港線が直結しているので便利です。

 南港から20分くらい台北近郊を進んだ新幹線は、板橋を出ると速度を上げてかっ飛ばします。北半分の新竹~彰化は山が多く、比較的平地の多いという台湾西部にありながらトンネルが多かったです。車窓から見る景色は、丘と丘との間を高さのある高架で長い距離結ばれた高速道路や、


 @苗栗

 住宅や林畑の中にときどき見える、この地独特の寺院。そして、台中市内の大混雑の高速道路が印象的に残りました。

 全線345kmという距離は、日本の東海道新幹線の東京~名古屋と同程度。こちら台湾は最高300km/hで、途中3駅(台北、板橋、台中)しか停まらない「直達」列車で所要1時間45分。日本の東京-名古屋ものぞみが所要1時間40分(最高285km/h)なので、距離だけでなく所要時間もそっくりです。

 北緯25°の台北を出て、宮古・石垣の緯度を越えて北回帰線を越え、着いた左營は台湾南部・高雄(北緯22.6°)の玄関口。ここから、2008年に開業したという高雄の地下鉄MRTに乗り、見ることのできたのは、


 ステンドグラスアートが名所になっている美麗島の駅。そして、


 高雄車站(駅)を出ると、


 台北の街と同じようにスクーターも車も多いと思ったのですが、


 もやのかかる前方。

 なんだか目がパチパチするような刺激を感じると思ったら、これ、私にとって15年以上ぶりだったと思われる光化学スモッグだったようです。都市の大気汚染の一因は乗用車の型が旧いことと、その車の過度な集中。高雄のMRT開業も交通渋滞の緩和が目的だったようですが、この土地での環境改善は解決できる大きな課題であると感じました。

 この道を歩きながら、先日ここにも書いた三鳳宮に寄ったり三代春捲をいただいたりした後、



 新幹線を降りた左營(国鉄の駅名は新左營)の周りを、バスで急ぎ少しだけ観光に行きました。





 下が、ギリギリの時間で寄ることのできた蓮池潭。


 龍も虎も十二支の動物ですが、台湾での両者が等価でなく(龍>虎)、蓮池潭でも龍の口から入って虎の口から出ることという決まりがあるそうです。



 帰りの新幹線からは、台南の街の向こうに2016年最後の日没を見ました。



 台湾また行きたいなぁ。

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