群馬・神流町恐竜センターへ国道299号で+ギガ恐竜展



 先月、野辺山に行った後は十石峠を越えて、群馬・神流町の恐竜センターに行きました。この恐竜センター、恐竜の化石が見つかったことを記念した簡素な施設が山奥にあるのかと思って行ったのですが、そんなことを思おうものなら失礼だろうというレベル。化石や地質を説明した展示の並ぶ面白いところでした。


 珍しいのだというティラノサウルスの全身骨格の展示。これ、上にも乗れます。


 動く大きな恐竜模型に慣れている5歳の人でも、改めて迫力を感じたライブシアター。写真は「托卵」を恐竜もしてたであろうという話がされているところでした。



 なぜ恐竜の化石が、この群馬県の山奥で出たのかというと、中生代にここはなんと海岸線だったからだということです。いま周りは険しい山道なのに。



 中生代関東平野の場所がまだ海だったときに、群馬県西の山間部が当時は海岸だったんですね。その海岸線に積もる土の中に生物が埋まり、その一部が化石になり、土地が隆起して山になった後になってそれが見つかっているということなのだそうです。



 そんな地層が、佐久穂~十石峠上野村神流町小鹿野と続いているとのこと。今回、長野県側から恐竜センターへは国道299号で向かったのですが、私はまさにその連なる地層の上を進んでいたようです。
 長野県側から神流へは、この国道299号(下の地図の青線)の他に、長野・群馬県道142号(同、グレーの線)の選択肢もあったのでした。



 「ぶどう峠(県道124号上野小海線)を走ってみた」を見て県道142号は大変そうだと思ったのですが、そのページの末尾に「十石峠よりぶどう峠経由の方が走りやすいです」の文。うーん。
 結局、今回は前夜から直前まで雨が降り続いたので、山の県道を走ることに不安があり、R299を選択しました。実際に、カーナビでは通行規制を思わせる怪しいマークが表示されていましたし。

 佐久穂町海瀬から入ったR299は、勾配があってもしばらくは広い快走路でしたが、長野県側最後の集落を過ぎると一転してすれ違い困難な細い山道に。約4kmで36個の急カーブを曲がった先に「携帯電話不感地帯」などと看板のある十石峠を越えました。すれ違いの難しいこの道で事故を起こしたら、救急車も警察も呼べないということか。
 なお、「海瀬」の地名はさすがに中生代は海岸線であったという意味でなく(古代~中世の人たちが、その事実を知るはずもなく)、9世紀の八ヶ岳の崩落や千曲川大洪水により湖沼ができていたことに由来するのだそうです。

 群馬県側はやや濃い雲の中を、すれ違い困難な道が13kmほど。この間は長く集落もなく、沢のやや上をひたすら曲がりながら進む道でした。澄んでいるであろう沢の水と谷の景色をゆっくりとは見られなかったものの、観光地と違い自然で潜む生命力を強く感じられるような道でした。途中、前日見た吐竜の滝のような水の流れを、より間近に見られる名も無い沢もありました。写真の一つも撮りたいところでしたが、後ろの時間が気になる旅程だし一人旅でもないしというわけで、残念ながらスルー。
 今回通ったのは濃い雲の中でしたが、天気が良いと峠で展望台も楽しめるようです。(⇒国道299号・十石峠を走ってみた



 ちなみにこの道、私たちが通った直後から通行止めでの工事が予定されていたようです。そんな中で、途中3, 4台の対向車と会った場所が、たまたまどれもすれ違いやすいところであったのが救いでした。そうでないと、すれ違いのために百数十mバックする、くらいのことも十分に起こり得る道でした。というわけで、この十石峠越えの道はオススメしないけれど、とにかく地質的に珍しい地域だということで。

神流町恐竜センター

 神流町恐竜センターへの車でのアクセスは、上信越道下仁田ICから、関越道の本庄児玉ICから、そして十石峠越えの国道299号などがありますが、本庄児玉から見る群馬の山は決して近くありません。下仁田ICからの道は、勾配はきついものの道は比較的広いので、一番走りやすいような気がします。なお、上のHPには秩父からのアクセスの案内もあります。
 また別ルートでここに行きたいものだと思います。ここの地層は、自分の手で化石が見つからずとも触れるだけでも面白そうです。

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 先週末には、終了間近のギガ恐竜展@幕張にも行きました。展示自体は、夏休みに合わせてモノを集めてみたのかなという感じもありましたが、それでも、駅前(幕張メッセ)での企画ということで大賑わいでした。上の神流町とか、駅からは数十km離れていますからね・・・。


 「日本初公開」だという鎧竜・アンキロサウルスの骨格(中国・浙江省から)とか、


 ド迫力の、トリケラトプスの模型とかも見応えがありましたし、


 私にはこの、海の進・退に伴って恐竜の大陸間移動を解説した展示が興味深いものでした。5歳の人もこの地図を見て、「南アフリカとアフリカが近すぎない!?」と疑いの一言。そう、これが、ゴンドワナ大陸が分かれたばかりの頃の地図と考えられているものですね。


 「白亜紀の福井」のジオラマ福井県立恐竜博物館がギガ恐竜展の特別協力施設の一つだったようです。この福井の博物館、本当は今夏行きたかったのですが、代わりにカナダに行くことにしてやめていたのでした。
 「大きくなったら恐竜になりたい」と言ってずっと恐竜の真似をしていた人と、福井にもまた行く機会を作りたいと思います。福井の方の交通の便はどうなんでしょう、とも思いつつ。

●福井の方には翌年行ってきました⇒福井・勝山の「恐竜王国」(2018年8月)