歴史の風情豊かな郡上八幡

 


 2022年の「山の日」は岐阜県長良川沿いの郡上八幡に行ってきました。山内一豊関ヶ原後の高知城主)の妻である千代の出生地とされる城下町で、城には1933年に再建された「日本最古の『木造再建』天守が立っています。

 この郡上八幡へは岐阜から、長良川鉄道が川筋沿いに走っています。この鉄道、国鉄時代は越美南線という福井まで繋がる計画もあった路線でした。岐阜から木曽川支流の飛騨川沿いに下呂~飛騨高山~富山へ向かうJRとは別の筋ですね。

 郡上八幡城は天守が山の上にある一方で、城郭の本丸は麓にあります。これは、天守が戦国時代に軍事的要塞として建てられたのに対し、戦乱が収まってから麓に本丸などが整備されて近世城郭となったから、というのが城通には常識らしい。


 山の上に立つのが郡上八幡城の天守。麓に本丸があり、その周りに城下町が広がる。


 天守からの眺め。麓に広がる城下町のエリアが、左が頭、右に尾ひれの “魚の形” に見えるとのこと。確かにそう見える。

 その城下町は、旅館で宿泊もしていたらしい観光客も多くて賑わっていました。魅力ある町並みは飛騨高山ともまた違う雰囲気で、江戸末期の病院や明治時代の町役場などの建築遺産もよく保存されています。


 八幡町役場。今は「郡上八幡旧庁舎記念館」とされています。


 長良川に流れる支流の吉田川。大雨が続いて水の流れがやや急でしたが、普段は清流で有名なのだそう。

 他にも郡上の天然水(湧水)に自然薯、朴葉(ほうば)味噌、近隣の美濃和紙に関の刃物もあったりと、文化や伝統産業が豊かな「美濃」を実感できます。今回はここで泊まらずに4年前にも行った福井に向かったのですが、郡上ももっとゆっくりと散策してみたいなと思う町でした。

 今回はここから、油坂峠を越えて4年ぶりの恐竜王国(福井)に行ってきました。