子連れでバンクーバー~食事と街と市内散策

 2017.8.21の日食前後は20日午後から23日午前まで、5歳の人とバンクーバーの街を回ってきました。バンクーバーでは久しぶりに、バスルームでの水の出し方に数十秒戸惑ったので、メモ。



 時計回りで閉められている取っ手は、反時計回りに(写真の位置からまず下に回して右上へ)動かすしかありませんが、それだけでは水もお湯も出ません。取っ手を反時計回りに動かして右上まで持ってきて、そこから取っ手に手前へ引く力を掛けながら時計回りに戻す。そうすると水が出てきて、取っ手を下から左に向けるにつれて湯温が上がる、という形でした。ちょっと複雑で、5歳の人は一人で使えず。
 なお、水量の調節はできません。そういうシャワーは他国にもありますが。そうしてお湯を蛇口から出した上で蛇口の上のつまみを上に引くと、お湯が上のシャワーの方から出るようになっています。

 気を取り直して。

 バンクーバーに着いた日は空港に着いた後、Sky TrainのCanada Lineでダウンタウンウォーターフロントのある市街へ入りました。


 Sky Trainは地下でも先頭の窓が空いた、無人運転

 バンクーバー市内の交通機関は5歳から切符が必要なようで、小さい人にも12.75ドルの一日券(Daypass:大人は15ドル。料金は2017年8月現在)を買いました。本人は、初めて親と別に自分の切符を持って改札を通るのを楽しんでいました。
 なお、空港以外(ダウンタウンなど)でDaypassを買う場合の価格は、大人・子どもともそれぞれ上記から-5ドルでした。

 成田からバンクーバーまでは8時間余りで着くので、消灯時間が4時間ありません。そんな夜間のフライトでは多少疲れも感じ、空港からの列車が地下に入ると眠くもなりました。
 しかし、列車を降りて地上に出た瞬間に、覚めた眠気、上がったテンション。




 ダウンタウンにはガラス張りの高い建物が多く・・・


 そのガラスが様々な色の空を映すので、空や海のある景色が広く輝いて見えました。

 そしてカナダと言えば、メープル。



 地下鉄から街に上がった都市の景色で、一番インパクトがあったのは2016年初夏に行ったコペンハーゲン・Nørreportデンマーク)で、次に思い出すのはPark St教会が迎えてくれるボストンコモン(米国)。5歳の人はロンドンのヒースローから乗った地下鉄が、地上に上がったときの景色を覚えているようです。ロンドンではBlackfriarsの駅から出たときの景色も記憶に残っていますし、ビッグベンが目の前のWestminsterも初めて降り立ったらインパクトが大きいだろうと思います。
 日本の首都圏でも、地下鉄駅がいくつかこれらに匹敵する存在になってくれたらいいなと思います。可能性があるとしたら、スカイツリーのある押上、他は皇居内堀に面した飯田橋・市ヶ谷・四ッ谷くらいでしょうか。他にあるかな。


 バンクーバー:船の行き来する海を公園で見られる街。


 街の西側にあるEnglish Bay Beachは、夕焼けの眺めが良いとのこと。


 カナダは1867年に連邦法による自治が始まって以来の、150周年を迎えているそうです。

 ダウンタウンの北側に入り込むのはバラード入り江。ここには観光フェリーなどの他、Waterfront⇔Lonsdale Quay間を運行するシーバス(Seabus、つまり「海上バス」)でも渡れるのですが、これにも一日券Day Passで乗れるのが、船好きの子連れの大人には嬉しいことでした。


 復路の行く先に見えた、バンクーバーダウンタウン


 市内の一般交通機関でありながら、この水しぶき。その航行に歓声が上がっていました。


 港として活用されているこの入り江はフィヨルドとのこと。大型フェリーも発着するこのターミナルは「カナダプレイス」。シドニーのオペラハウスと似た雰囲気を感じました、と言っても怒られないのかな。シドニーの方は1973年竣工、カナダプレイスは1986年開業。

 バンクーバーでもレストランやエレベーター、バスに電車もとにかく会う人たちに親切にしてもらい、楽しく過ごすことができたのがありがたいことでした。


 到着直後にホテルのレストランでいただいた昼食。5歳の人もシーフードチャウダーが気に入ったようでした(Daily Soupだったので、この日しか頼めなかったのですが)。マルゲリータピザは、トマトが大好きな5歳の人でもソースがやや辛くて多くは食べられませんでした。


 テンダーロイン(tenderloin)のステーキは切ってあげたところ、小さい人も喜んで食べていました。何と贅沢な・・・と言っても、北米ではこれが定番の食事ですが。ポテトも好んで食べましたが、フライドチキンはやや辛くて一口しか食べませんでした。


 Angas beefは、テンダーロインと比べると子どもには硬いようでした。一緒にいただいたワインはRoad 13British Colombia red blendが良い味わいでした。


 レモン水のとなりはキュウリ水。市内のカフェにも表に "cucumber" の文字が出ていたので、この街でキュウリ水は人気なのかもしれません。

P2B: 泊まったホテルロビー階のレストラン
Ballagggio Cafe: 日食後のお昼に行ったイタリアンの店

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 バンクーバーに着いて初めに行ったのは、科学博物館「Telus World of Science」です。



 ここには、何がどうやって動くのか、この水がどうやって噴き上がるのか、目で何がどう見えるのとモノがどうなっているように見えるのかなど、考えるのを楽しませてくれる仕掛けがたくさんありました。正面に "Imagine what you can create here" と看板が掲げられていましたが、中のコンテンツはそのお触れに負けないものだったのでオススメ。



 展示のいくつかは大盛況だったのですが、人の多い中を5歳の人が一人で走り込んで行ってしまい、館内で一度はぐれてしまいました。この人は今月、国内の慣れた博物館でも一度迷子になったので二回目なのですが、慣れない地でもやってしまうとは困ったものです。
 前回は自分が迷子になったことを認識しておらずほぼ反省もなかったのですが、今回は自分ではぐれたと気づいたようでさすがに不安な顔をしていました。本人が近くの職員さんに「一緒に(父親を)探してくれませんか?」と日本語で訊いて、当然相手に戸惑われてしまっているところで本人を私が見つけたのでした。その後の本人曰く、「英語、難しいんだよねー」。反省をして繰り返さないでくれないと、さすがに困る。

 迷子にならないように注意することはもちろんですが、迷子になってもとにかく生きて帰ってこれるようにしなければなりません。そのためにも、そろそろ5歳の人に「困ったときに使える英語」を覚え始めてもらわなければと思います。本人、漢字のべんきょーで満足している場合ではない。

 さて、次にガイドブックにない情報を交え、3つほど酷評が入ります・・・。

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●FlyOver Canada
 観光地の中心であるカナダプレイスに、バスツアー会社に混ざってチケット売り場が紛れています。小さい人が遅起きだった昼にバスが発車間際と、気が逸る中でうっかりチケットを買ってしまいました。
 このFlyOver Canadaは2015年に開業したシアターですが、チケット売り場に注意書きがないものの子連れには向きません。迫力を狙って音大きすぎ。乗り物酔いする人にはアウト。ジェットコースターのようにGのかかる造りも幼児には怖いだけ。加えて何より、作り込んだバーチャルに実用性以外の満足を感じない人にはVRという触れ込みの通り(当たり前ですが)見どころがなく、一人2000円以上かけて入る価値を感じられませんでした(隣で5歳の人の顔がずっと引きつっていたし・・・)。
 ただし、最後の最後に映された全面のオーロラはすごかったです。というわけで、感想としてはflyしなくていいのでオーロラのプラネタリウムを希望。

バンクーバー水族館
 よくある水族館といえばその通りですが、5歳の人がめちゃめちゃ満足して楽しんでくれたのは良かったです。



 展示の一つである4Dのシアターは、WWF世界自然保護基金:Wild Wide Fund for Nature)とBBC英国放送協会British Broadcasting Corporation)の協賛もあり海洋環境の大切さを解説するプログラムに共感を持ちました。ただしここも、臨場感を持たせる仕掛けはやや雑で、それには濡れるだけ、痛いだけという印象も。あの痛い仕掛けは、高齢者や幼児の肋骨を折ったりしないのだろうかという不安も抱きました。


 こういうビニール袋やプラスチックは、亀がクラゲと間違えて食べてしまうのだとか。投げ捨てちゃいかんね。

●ツアーバス
 バス自体は悪くありませんが、Hop-on Hop-offとTrolley Companyと異なる会社による運行があり、一方のチケットではもう一方の会社のバスには乗れません。そして、事前に調べずにに行くとチケット売り場の判別が容易でありません。どうやらHop-onはバス外の売り場で、Trolleyはバスで運転士から直接購入というのが正解だったようですが。この辺り、ガイドブックはパッと見で違いの分かる表にでもしてほしいものです。

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 とはいえ、ツアーバスに乗って見た街の景色は見応えのあるものでした。屋根のないオープンなバスに5歳の人が満足もしてくれたので、結果オーライということで。


 最後にツアーバスを降りた、ガスタウンのWater St。名物の蒸気時計もこの通りにあります。写真の奥に見える展望台Vancouver Lookoutにも登ってきました。


 展望台からは、米西海岸のワシントン州にあるベーカー山まで見えました。標高3285m、北緯48度で、夏の終わりでもこの冠雪でした。

 この向こうにいれば、皆既日食も観えたんだけどなぁ。それはまた後日、別の場所で。また、次も良い旅をしたいものです。

日食とMacMallenスペースセンター(2017年8月21日)
5歳の人とカナダへ、持ち物準備リスト