2019秋の企画展「宮沢賢治」から石調べと「星を見よう!」

 2020年末の冬の星空は、日没後の西空に夏の大三角に加えて木星土星、南に真っ赤な火星が見えるところからスタート。気温が下がってくると光る氷のように星が煌びやかに見えてきます。

 毎日星空を眺めながら、一年前に茨城県自然博物館で、『銀河鉄道の夜』の作品もある宮沢賢治の企画展があったのを思い出していました(天の川銀河の筋である天の川がよく見えるのは、夏の星空ですが)。
 ここでの星や動物の展示に目を輝かせていたのが、今思えばうちの2歳の人(当時1歳)の博物館への入り口だったように思います。

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 企画展の入り口も、中にその世界が広がっているかのようで飛びきり美しいものでした。

 企画の表題は「宮沢賢治と自然の世界―石・星・生命をめぐる旅」で、文学作品に登場していた数多くの地学や生き物、天文の用語を実際の標本とともに解説していたもの。宮沢賢治は小学生の頃から、石や生き物を集めて観察するのが好きだったそうで、文学作品にも登場したそれらを解説する視点で企画展は構成されていました。

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 例として賢治の月や空の表現は、左上から順に、日没後の三日月を「黄水晶「シトリン」の薄明穹」、日出前に明るくなってくる東の空を「琥珀のようになって」、霧が明けた直後の深く青い空を「磨きたての藍銅鉱のそら」、真っ青な空を「いい孔雀石のよう」、無機質に青い冷えた空を「土耳古玉のそら」という具合に。レベルが高いです。

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 これは、惑星に見立てた鉱物の展示だったでしょうか。光沢よく磨かれた石の色合いが、まさに水金地火木土の惑星のようです。

 これが、うちの小さい人たちの石好きの始まりだったかどうか。(これがなくても石は好きで、石を触って何十分も過ごせることに変わりはなかったかもしれません。その可能性は高い。)

umerunner.hatenablog.com

 そんなことを思い返していたら、なんとなんと、今だんだんと見える位置が近づいている木星土星が、2020年12月21日夕方すぎにこの上なく、とんでもなく近くに重なって見えるのだそうです。つまり、地球と木星土星とが、公転面に対しての垂直方向の位置のズレを含めてもほぼ完全に一直線上に並ぶ大変に珍しい現象が、この日に起こるとのこと。

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 これは見たい! もし西の空が曇る予報が当日出たら、晴れているところまでドライブですかね!? 翌日が親子とも平常運転の平日ですけれど。

 PS. 大接近 (2020.12.21) 直前追記
 さていよいよ。一昨日夕方に曇ったときには、こんな日が当たらないでほしいと思いましたが、首都圏から茨城県南は澄んだ青空で夕方を迎えられそうです。木星土星の見える位置が日没後の西の空なので、見頃は17時半から18時半前までに限定。お見逃しなく。
 空を見よう!

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