5歳の人たちと7月の星空観察

 七夕の日、うちの5歳の人の通う保育所での給食は「七夕チャーハン」だったようでした。感想を聞いたところ、「美味しかったけど、縦長四角(短冊形)でなく、なんでか星形だったんだよね…」とのこと。彦星だったんじゃないの? と言ったら納得していたけど、ねぇ、星形では不満だったのかい・・・。

 その夕方帰宅すると、近所の友達が星空観察に誘ってくれた。5歳の人もそれを聞くと楽しみにして、いつも以上に張り切って夜ご飯を完食。空が暗くなるのを待ち切れず、家の電気を消して南の窓から外を見てスタンバイ。夜に外を見ると、月の近くにアンタレスが見えるよ、アンタレスの近くにさそり座の他の星も見えるよと、小さい人の口から最近覚えた知識が一気に言葉になって出てくる。
 そして次に言った言葉は、「天の川も見たいなー」と。残念、それは山間の湖か北海道の町から離れた高原か、雷で停電の起きた南アフリカにでも行かないとな。人に教えてもらったところによると、木曽のように都市から少し離れた山間や、伊豆諸島などの離島でも見られるようだが。いずれにしても首都圏では無理がある。

 七夕の夜と言えど織姫星と彦星の位置は変わらない。一方で2017年の七夕(金曜)の星空では、土星に月が一ヶ月に一度の大接近を果たしていた。月のすぐ右(西)に見えたのが土星(この土日はもう少し離れる)。近いと位置の説明はしやすいけど、月が明るすぎて土星の明るさは少し分かりづらくなってしまう。土星のまた少し右(西)に、さそり座のアンタレスも見える。西の空を見ると、今夏はおとめ座木星

月が木星・土星に接近(2017年7月=上旬・月末、国立天文台


 20時過ぎに、駅から離れた公園へ。土星も小さく写ってます。

 外に出ると、南向きの窓からは見えなかった夏の大三角が東に見える。東から先に高く上がっているのが織姫星(ベガ)で、首都圏では見えない天の川を隔てて南にあるのが彦星(アルタイル)。
 2ヶ月前に見たときはまだ昇ってこなかった、大変にきれいな二重星アルビレオはくちょう座)も7月ならよく見える。三等星で暗くないと言えど、上弦の半月を過ぎた明るく大きな月のある空から、ファインダーも微調整つまみもない望遠鏡の視野に、あの黄と紫の星をよくぞ視野に入れた私!

 5歳の人たちは二重星がどうかよりも、自分たちが名前を知っている星をとにかく望遠鏡で見たい様子。月のクレーター→アンタレス(さそり座)→木星(2017年の七夕では、4つのガリレオ衛星のうち3つが同じ側に見えた)→スピカ(おとめ座)→ベガ(こと座)→アルタイル(わし座)→アルビレオ二重星はくちょう座)→ミザールとアルコルおおぐま座)と観ていった。
 私一人だったらスピカやアルタイルにまでは望遠鏡を向けなかったかもしれないが、小さい人たちの言うとおりにこう見比べていくと、なるほど、アンタレスの赤さを実感しながら観ることができた。


 星空観察の後は、虫探しの部へ。

 友達(もうすぐ6歳)も喜んでくれて、「望遠鏡に星を映してくれたから」ってお花のプレゼントをくれた。足元から抜いてきてそのまま手渡し、というワイルドっぷりだったけど。


 冬になったら今年は久しぶりに、オリオン大星雲を見たいな。秋のアンドロメダ銀河も見たいと言われているけれど、首都圏で探すのははちょっと厳しいぞ。

●前回: 鏡とレンズを通して惑星ツアー(2017年4月29-30日)