「遊び」のコーチングに保育の話題@日本幼少児健康教育学会(2019.3)

 2019年3月の初日は青山女子短期大学へ。日本幼少児健康教育学会に参加してきました。


 ちょうど開いたウメの花が迎えてくれた、表参道のキャンパスでした。

 研究発表では、つくばみらい「みらい平ふたばランド」の小菅佳子先生が3~5歳児の幼保無償化の話を取り上げ、いま現場にある問題をまとめてくださったのが勉強になりました。ご発表で伺った現状として、次の3つのお話がありました。

●幼保無償化が年度途中(2019年秋)から始まることになっているが、行政から何にどう補助が出るのかがまだ決まっていない。どこまでが園児保護者の負担になるか(給食・おやつ=食育、行事など・・・)を、保護者に説明できていない。
●各園は食育の推進の他、園児の疾病への応急処置や災害への備えなどへの対応も新たに生じてくるはず。だが、その負担がどうなるのかもまだ見えていない。
●幼保の利用者の負担は大きく変わる。なのに、それをまだ説明できない状況で現場は戸惑っている。(が、そうも言っていられないので対応しなくては・・・!!)

 うちも年度明けから、1歳の人が保育所にお世話になります。しかしそういえば入園の説明会で、“無償化”施行により何がどう変わるかの説明は一切ありませんでした。それは、説明が欠けていたのでなく、できない状況だったのですね。
 そのような状況で、“無償化”が我が家(の2年後)に関わるものというのを私も忘れていましたが。当該年度がまもなく始まる3月に、まだ行政で決まっていないことが多いという状況に驚きを覚えざるを得ませんでした。

 この状況を総括した小菅先生の問題提起がまた、重い課題を感じるものでした。

 「幼保の保育所機能の部分(3歳児クラス以上)では、おそらく副食費も徴収することになる。保護者は子どもの園を選ぶにあたり、実費の部分ができるだけ0に近い園を選ぶのか、保育内容で選ぶのか、給食で選ぶのか、園バスによる送迎で選ぶのかなど様々である。しかし、直近どうなるか説明できない状況があっては、保護者が園をどう選べるというのだろうか・・・」

 後日追記:学会大会にて発表の行われた一般演題一覧が学会HPで公開されました。⇒2018年度の一般研究発表の題目一覧日本幼少児健康教育学会、2019年3月18日)

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 話変わって、学会では日韓交流シンポジウムも組まれ、韓国での体育指導者(スポーツコーチング)養成の必要性を中心にした、最近の状況の紹介がありました。

 「コーチング」それは、人が如何にして他者に何かを教え得るかの根底を成すものです。今日は韓国の呉景録先生(韓国幼少年スポーツ学会会長)と崔寬鎔先生(韓国スポーツコーチング学会会長)から、体育・運動教育の指導者養成で鍵となる要素についての講演を伺う機会を持てました。

●韓国の当該学会・協会ではスポーツを通した幼少年の健康と社会性の発達を重要と捉え、それを促すに足るスポーツ指導者養成のあり方を最近も改善し続けている。
●幼少期のスポーツ活動が重要な理由は、それが成人後もスポーツ活動に積極的に参加することにつながるから。そのため、対象者に興味や関心を持たせることのできるコーチング方法とプログラムが必要とされる。
コーチング方法は、対象者のスポーツ活動に対する肯定的な経験に深く関連する。そのため、対象者(学習者)が自ら楽しく参加するよう動機づけをすることが最重要課題となる。
●幼児・児童に対するコーチは、基本技術を分かりやすく伝えるべく自ら見本・模範とならなければならない。さらに、幼い学習者はコーチの基本技術だけでなく、言語、服装、態度などのすべての仕草をそのまま見て学ぶことも肝に銘じるべき。

 などなど。これはスポーツ指導だけでなく、学生教育全般についても言えることで参考にしたいと思いました。



 私とコーチングとの出会いは、大学院生の頃。「ラボワークを共有する後輩と如何に関わるか」を考える必要性からこれに関心を持ち、色々と調べたことがありました。最近はその話題から離れてしまっていたのですが、久しぶりに重要性を再認識できたことが嬉しいことでした。

 明日は土曜なのに昼から出張に出てしまうのですが、朝はさっそく外遊びの時間を大切にしたいと思います。



茨城県自然博物館でもウメ開花+企画展「恐竜」(2019年2月~)