先週末に研究発表をしてきた学会で、同日、論文集が発行されました。発表された論文の中で、とくに私にとっても身近で、興味深く感じたものがあります。
糦須海ら『幼稚園給食改善のための献立評価票の提案と評価の試み』(幼少児健康教育研究 20(1): 23-37 (2014)
この論文を読んで、初めて知ることがいろいろありました。たとえば、保育所の給食には次のような基準や指針(ともに厚生労働省から)があるのですが、
・日本人の食事摂取基準(現行は2010年版)
・児童福祉施設における食事の提供ガイド
一方の幼稚園(給食の実施は任意)では、その実施を学校給食実施基準(文部科学省、最近では2013年1月に改正)に準じて行うことになっているとのこと。
ほぉ。
その背景の下、糦須海氏らの論文では、3~5歳の脂肪エネルギー比率が6歳以上と異なることを考慮しながら、幼稚園給食の献立評価票を作成・提案しています。
(参照:幼稚園給食献立評価票における評価基準 =糦須海ら『幼稚園給食改善のための献立評価票の提案と評価の試み』2014)
本票を用いて評価をすると、例えば次のように、園ごとの給食の長短が客観的に把握しやすくなるとのこと。
・揚げ物料理が多く脂肪エネルギー比率が高めで、野菜が足りない傾向にある園があること
・逆に野菜は多いが、脂肪エネルギー比率や摂取エネルギーが少ない傾向にある園もあること(脂肪も少なくすれば良いというものではない!)
その結果として、より良い給食を提供するための改善をしやすくなるよね、というのがこの論文の趣旨になっています。
うちの2歳児の通っている保育所の給食は、大人が見てもうらやましくなるような豊かな献立なのですが。本当に、どの子もしっかり食べられる環境が、保育所、幼稚園、学校にあってほしいと思いますよ。
あ、そういえば理科大の学食の一部も、揚げ物ばかりのところがあるので改善してほしいんだった・・・。
皆様もよいお昼ごはんを。
●栄養摂取・食事と健康(2013年1月20日)
●保育関係-厚生労働省
●授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省)