日本幼少児健康教育学会(2014千葉)

 ついにきました。私自身が「リスクについての説明の要請にどう応えるか」について、学校の子どもと向き合う先生方に話す機会が。

 2014年3月1~2日、日本幼少児健康教育学会 第32回春季・千葉大会で研究発表をしてきました。


-----
・大気中の小さな粒子(PM2.5)による健康影響を防ぐために
・リスクコミュニケーション手法の改善の取り組みと教育プロセス(難波先生・石村先生との共同研究)
-----


 PM2.5については、こちらも参考に。⇒健康影響の懸念と数値解釈の注意点
 先月(2014年2月22日)に放映されたNHK時論公論「“越境大気汚染”どう向き合うか?」では、私たちが取材に応えて説明した内容も入れて頂いています。⇒こちら

 リスクコミュニケーション研究については、こちらを。⇒リスク・コミュニケーション・パターン集を公開しました



 このパターン集では、「伝え手側」がどう変われるか、ということに焦点を当てています。一方、コミュニケーションでは相互が[伝え手⇔受け手]になる中で、「聞く側(受け手側)」も変えていかなければ、という意見も多数いただきます。

 しかし、どんなに「聞く側」が変わったとしても、「聞く側」の人はどんどん替わることが少なくありません。となると、結局は様々な人が「聞く側」になり得ます。そう考えると、説明を要請されることの多い立場の人は、「聞く側」が多様であることを受け入れた上で「伝え手」となることこそが、根本解決に近づけると思うのです。

 実際に、パターン集では「聞き手との○○がうまくいかない」といったことも、コミュニケーションで起こる問題に挙げています。私はあえて、伝え手側の問題に焦点を当てたと説明していますが、伝え手側ができる準備・とれる改善策を示した、という方が正しいのかもしれません。

 パターン集の「はじめに」だけでもご覧いただければ嬉しい限りです。

+++

 様々な人の不安に応える仕事をいただけるのは、有難いことです。でも本当は、不安が(少)ないに越したことはないのは事実でしょう。
 誰かがあえて説明しなくても不安が和らぐような、解決するような。そんなヒントを、随所にいくつか転がしておきたい、と思っています。
(理想に過ぎないのかもしれませんが。)