仕事で帰りの遅くなった12月中旬の土曜の夜、翌日(日曜)静岡の方に行こうと思い立ち行ってきました。静岡の暖かさを感じつつ、雪を被ったきた富士山を間近で見たいと思ったのがその理由です。
この富士山は遠く守谷から。
調べてみると、静岡県内にの東海道には城好きが行くべきポイントがありました。静岡市の発展の礎を築いた駿府城には天守が現存しませんが、その西の掛川と浜松には駅近くに復元天守があります。というわけで、目的地はその二つに決めて、いざ出発。掛川城も浜松城も、それぞれ御殿や石垣が美しく印象に残る所でした。
守谷 9:21 →→→ 10:17 東京
東京 10:26 ―(こだま647)→ 12:11 掛川
豊かな陽光に暖かさを感じさせる菊川の茶畑。
新幹線は静岡に停まる1時間に1本のひかりを逃してしまい、のんびりとこだまで行くことになりました。しかし、ひかりで静岡まで来た後静岡~掛川が鈍行だと45分かかるので、結局こだまに乗る方が速いのですね。東京から掛川までは、
①東京をひかりで10:03に出て、熱海か静岡でこだまに乗り換えると掛川に11:43着(静岡までのひかりは167km/1時間2分)
②東京をこだまで10:26に出ると、そのまま掛川に12:11着(211km/1時間45分)
③すべて鈍行で行っても、東京を8:17に出ると2回乗り換えれば掛川に12:07着(229km/3時間50分)
④一方でのぞみで東京を10:30に出れば、12:12に名古屋着(342km/1時間42分)
とのこと。大都市の存在は強いものです。一方の私たちは、大都市でない町を歩くのを楽しみに行ったわけですが、その期待は裏切られませんでした。
無事に着いた掛川城は、天守に至るまでの造りも美しければ、瓦と一体になった飾りすぎない鯱(しゃちほこ)も良いものでした。
どこかで見た姿再び。天守の急な階段を登った先には、山内氏の家紋が見えます。
2018年3月追記: この圧巻の雰囲気は、掛川城の天守が復元されたものでありながら、当時の図面を元に木造で復元された「木造復元天守」だからであるようです。同じ復元天守でも、鉄筋コンクリート造りで外観を復元した「外観復元天守」(名古屋城など)とは、中で感じられる当時の雰囲気の度合いが桁違いです。この木造復元天守は日本で数個もない珍しいもので(参考:ぴあMOOK中部『東海歩きたくなる城と城下町』2018.4月号)、それだけ建造も保存も大変そうではありますが。
4歳児は鉄砲狭間から向こうもしっかり見て、守りも完璧・・・だったつもりが、次に天守から御殿に向かう通路で忍者に遭い、恐れに思わず固まってしまう一幕が。
しかし、忍者は優しく挨拶してくれた上に「手裏剣あげようか?」と問いかけをしてくださって。4歳児は目を輝かせてそれを受け取っていました。そう、敵じゃありませんから。
掛川城の御殿は、日本に4つしかない現存の城郭御殿でした(掛川城の他は、川越城、二条城、高知城とのこと)。安政の東海大地震(1854年)で損壊した後、御殿の方はすぐに再建されたという歴史があるそうです。天守だけが城だと勘違いしそうな子どもと一緒でも、御殿まで必ず見たいところ。私は床の間と違い棚の並びを久しぶりに見ることができて、思わず見入ってしまいましたところ、4歳児はここは通過してしまっていましたが。
「東海の名城」と言われた掛川城の、御殿の門構え。江戸時代に城下の宿場町として栄えながら、近代に大きく開発されなかったのが、この城と町の雰囲気の良い部分を残してくれているかなぁと思いました。
掛川からは5駅鈍行に乗って浜松へ。江戸時代の東海道では間に舟渡しの天竜川があり、宿も袋井、見附(磐田)、浜松と宿が並んだ所です。家康推しの浜松で多くは回れませんでしたが、うな丼を頂いた後で浜松城だけは登ってきました。
浜松城の石垣は「野面積み」。自然石をそのまま積み上げた石垣で粗く見えますが、見た目以上に頑丈で当時のまま残っているようです。この浜松城の他にも松坂城、安土城、松本城、それに犬山城など、他にも見つけたときに思い出したいと思います。
浜松城の北方には、家康が30歳のときに大敗を喫した三方原が見えました。浜松城は、三方原台地の東南端に位置しているとのこと。この城の位置は一見すると浜松の街の中でしたが、現代の私たちが城に向かうときに最後に登った坂が「台地の端」だったようです。
この後、陽の傾いてきた中を来た新幹線で帰途につき、
浜松 16:11 ―(ひかり472)→ 17:41 東京
(239km/1時間30分)
帰宅後に4歳児は、掛川城で手に入れた320ピースのジグソーパズルにチャレンジし始めました。夕方過ぎの時間を使い5日かけて、完成させてくれました。
しかし、ついこの前までは出かけるときの荷物をすべて大人に準備してもらっていた4歳児が、(気に召した外出だと)着替えを自分で準備して、自分の小さなカバンに「ハンカチ、濡れティッシュ、ティッシュ。あと、また坂で転んじゃうかもしれないから絆創膏っ!」と入れていくのを見て、彼の旅人としての成長を感じたところです。
坂で転んでしまったのは、今年9月の犬山城だったな。
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