コラム紹介:野球を好きになる七つの道

初めに示すのは、2008年に現役を引退した
プロ野球選手の桑田真澄さんが、
「野球を楽しみながら自らの心身も
 成長させるための方法」
として提案した7つのポイントです。

1. 練習時間を減らそう
2. ダッシュは全力10本
3. どんどんミスしよう
4. 勝利ばかり追わない
5. 勉強や遊びを大切に
6. 米国を手本にしない
7. その大声、無駄では?

全文は、2010年7月20日朝日新聞朝刊の
9面(オピニオン)で紹介されていました。

「野球」を他の言葉で置き換えると、
様々な業界や職種の人にも当てはまると
思われる内容でした。


1. 練習時間を減らそう
2. ダッシュは全力10本

桑田さんは、

「もちろん手を抜いたりサボったりするのは
 いいことではありません」

とした上で、ご自身の経験を振り返って、

「決して大きくない自分の身体を守るためには
 必要なことでした」

と記しています。
そして、トレーニングをするにあたり
やみくもに量をこなすのではなく、
「集中力」を大切にすべきであると述べています。


3. どんどんミスしよう
4. 勝利ばかり追わない

この記事で桑田さんは、

「ミスをなくそうとムダな努力をするよりも、
 ミスから学ぶことのできる」

ことの方が大切であると述べています。
もちろん、ただミスを繰り返すことが
悪いことではないというわけではありません。

「ミスをすると、どうして失敗したのかを
 考えるチャンスになります」

私は、昨日のこのブログの記事で、
「失敗を省みて、次に来るであろう失敗を
 回避できる可能性を少しでも高める」ことが
「成長の源」であると書きましたが、
桑田さんの考えと通じる考えであると良いと思います。


5. 勉強や遊びを大切に

桑田さんは、特に高校生前後の時期の人を指して、

「心身のバランスが大切です」

と述べています。そして、

「練習時間を短縮して空いた時間は、
 勉強や遊びにあててください。」

としています。

プロ野球の世界で長年活躍できるのは、
 対戦相手を分析したり、自分自身をコントロール
 したりできる」

選手であるとし、それを含めた様々な能力を養うために、

「生活のすべてを大切にしてもらいたい」

と記しています。

別の話題ではありますが、8年前、
私が東京理科大学に入学したときは、
いま私がいる研究室の教授が薬学部長でした。
その教授が、薬学部長として大学のパンフレットに
大きく書いていた言葉は、

「遊べ。」

これも、桑田さんの言う内容と同じ意味だと思います。
大学でいえば、ここで経験すべきことは
授業や実習で得られる知識や手技だけではない
ということでしょうか。
大学を卒業した後に活きるのは、
決してこのようなもの(だけ)ではなく、
大学生活のすべてから得られる様々な経験である
ということを教授は言っていたのだと思います。

同様のことは、野球や大学生活に限りません。
将来の可能性を、自分自身で狭めることの
ないようでありたいと思います。


7. その大声、無駄では?

桑田さんはこの言葉を、野球で多いヤジを
特に名指しして言っています。

それよりも、“対戦相手”に敬意を払うこと。
そして何よりも、野球を通じて人間性を磨き、
技術だけでなく精神的にも自分自身を成長させて
いくことの方が大切であると述べています。


以上が、新聞のコラムに書かれていた内容の一部です。

野球に限った話としてしまうと、
「私には関係ない」と思う方もいるでしょう。
しかし、桑田さんの言葉のうちの
「野球」を他の言葉で置き換えると、
多くの人に活かすことのできる内容で
あると思いませんか?

そう思い、今回ここで紹介してみました。