全国のサンタたちへ

 Wish you all a happy new year 2021!!

 先週はサンタの皆、ご苦労じゃったの。
 2020年は新型コロナウイルス感染の状況のために遠くから来れないサンタがおり、ワシは急遽、1~6歳の人たちが待つ場所にも呼ばれて行ってまいった。
 例年じゃと参加することのないクリスマス会に、参加させてもらったことは大変嬉しいことであった。ワシにとっても数十人以上が待ってくれる場に行くのは、77歳にして初の大役じゃった。サンタをやり切るべく直前10日ほどは、毎朝広い道を走りながら発声練習もしていったのじゃ。

 次回以降、初めてそんな場に臨むルーキーもおるじゃろう。しこで、今季大役ルーキーとなったワシが感じたことを伝えようと思う。少しでも参考になれば幸いである。

●どうしても何人かは驚いて泣くかもしれん
 
どんなに良い準備をしても、特に2歳以下の子の何人かは泣いてしまうかもしれん。しかしそれは心配し過ぎんでよい。
 ワシは今回、到着直後から何人かが泣いてしまったので、正直動揺してしもた。パーティー用に練習した声も、一番小さい人たちを怖がらせないようにと考えてしていたのにじゃ。
 明るくその場で役を果たしては来たんじゃが、この人たちにとってサンタがトラウマになってしまったらどうしよう、などと正直とても心配してしまった。

 しかしあとで聞いたところによると、今回4~6歳でノリノリでワシに質問をしてくれた人たちの中には、3, 4年前はサンタに泣いてしまっていた子もいたそうじゃ。1, 2歳の子たちには、普段と違う人間の登場への驚きのあまり、泣き出してしまうことは普通にあるのじゃということらしい。

●元気に泣く子が大勢の中で数人はいると思うても、実は1, 2人だったということもあるようじゃ
 当日、サプライズで現れたサンタに泣いてしまった子が数人に見えても、実は1, 2人じゃったりもするらしい。
 サンタの姿に驚き泣いてしまう子も元気なもので、その様子でワシは、1, 2歳の人およそ10人のうち4, 5人は泣かせてしまったと思っていた。しかし、あとで聞いたところじゃと泣いてしまったのは2人じゃったらしい。
 泣く子の元気な訴えに驚くあまり、実際よりも倍以上の数の子を泣かせてしまっているとその場では感じてしまうこともあるようじゃ。とにかく、泣かせてしまってもそれはおまえさんの準備が悪かったからではないじゃろう。

 一番小さい人たちを怖がらせないよう、できる気遣いはしようではないか。その気遣いはその場を完全には納めなれなくとも、必ずその子に伝わるはずじゃ。じゃから、泣かれてしまっても心配することはない。今ならワシはそう思える。

●小さい人たちは意外と大人をちゃんと判別できる
 たとえ口元と頭が隠れていても、小さい人たちはワシらが想像する以上に、大人が誰かを判別できるようじゃ。今回ワシは、中の人が誰かを詮索されないよう徹底的に準備することにした。発声練習をしたのもそのためじゃ。
 今年は普段の生活をする場でも、マスクをしてしか会わない子ども達がたくさんおった。じゃがそれでも、目の前の大人が誰かを多くの子たちが認識できることをワシは見ておった。

 今回、会の主催者が当日ワシのための特別な服を準備してくださった。しかし、眼鏡を持っていないワシはふと当日の朝、目元と眉だけでワシが誰かに気づく子がいるんじゃなかろうかと気になった。

 そこで、直前に眉を準備してみたのじゃが。

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 ほれ、ワシを知る者、笑いすぎじゃ。まぁよい、笑うことは良いことじゃ。わっはっは。

 当日は最前列にいた我が子が、・・・じゃなかった、我が孫が、じっとこちらを見つめたまま微動だにせずに座っておった。これは、何かを疑われておらんかドキドキしてしまったが、あとで聞いたところによると「クリスマス会にサンタさんきたの、たのしかった! でもちょっとこわかった」らしい。

 すまなかった我が孫よ。

 それでもサンタとしての大役は、小さい人たちの喜ぶ生き生きとしたたくさんお顔を間近に見られて、この上なく幸せな時間じゃった。
 ワシも70年前は、きっと今の小さい人たちのように、いたずらが大好きじゃった。いや、いたずらは今も好きじゃ。
 しかし、いたずらはいたずらでも今は、誰も困らせないいたずらをしたいと思っておる。そして、できればみんなが喜ぶ(そして絶対に誰も困らせない)いたずらをしたいと思っておる。

 周りの人たちが喜ぶのを見るのはワシ自身にとっても嬉しいことじゃ。人を喜ばせることは楽しい。そんなワシの心の変化は『クリスマス・キャロル』というお話に書かれておるから、よろしければ今一度ご覧いただき、想いを共有できれば嬉しく思う。


 英国・Charles Dickens氏による大作じゃ。短編で知りたいと思ったら、右のようなディズニー版しかないかもしれぬ。

●子どもたちはとても楽しみにしておる。サンタも思いっ切り楽しもうではないか!

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 そして忙しかった年末が終わって今日から新年、2021年じゃな。小さい人たちは今年も、毎日を全力で生きて成長していくじゃろう。その人たちに相対する大人たちは、新年といっても落ち着きはしておれんかもしれぬ。
 そんな日が皆にとっても楽しい時間でありますように。大変なときには頼れる解決策がありますように。毎日にワクワクと発見と喜びが皆にありますように願っておる。もちろんワシにもじゃ。
 もっともワシは、落ち着いた日がほしいとは露ほども思っていないんじゃがの。

 2021年を良い年にしようではないか。そしてまた次も、ワシらを待ってくれる人たちへの役を果たすことにしようではないか。ではまた。わっはっは。

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 こんなお話を知り合いのサンタから受け取り、新年の挨拶に代えてお送りしました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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