先週末は筑波実験植物園での「きのこ展」に行ってきました。マニアックな企画だなと思いつつ行ってみたのですが、毒あり、食用あり、様々な色あり、芸術ありでとても楽しめました。
ベニテングダケ、毒キノコ。笠についている白いイボが取れている場合もあるとか、その場合に食用のタマゴダケに色がやや似ているので危ないのだとか。
ラベルに黒いマークが付いているのは全部毒キノコ。
食用もいろいろ。ここでは濃緑のマークが付いているもので、イロガワリ、ノウタケ、ムラサキヤマドリタケ。本当に食べたことがある人はどれだけいるのでしょうか。
きのこ展と聞いてマニアックな企画だと思ったのですが、これだけ毒々しいものも多くあるとなると、そう簡単に集めて展示はできないように思います。正直なところ、一見して触るのも憚られるものも少なくありませんし、それに、
ラベルに赤マークが付いて並べられた溢れんばかりのキノコは、「毒か食べられるか分かっていないもの」とのこと。研究用に採集されていてなお、分からないことがたくさんあるというのですからもう・・・。
実際に、「きのこ展」とGoogle検索してザッと見てみたところ、この筑波植物園で行われるような展示は数えるほどもないように見えました。そんな中で、筑波では2010年から毎年秋にきのこ展を開催していて、2013年以降にはこんなトピックスを掲げてきたそうです。
・コウジカビ(麹)との関係
・コケ(苔)との関係
・植物や動物との関係
・変形菌
・キノコの出てくる絵本や物語の紹介(今回)
キノコの出てくる本のコーナーで、私がうちの5歳の人と興味を持って読んだ本の一つが小学館図鑑シリーズの「きのこ」でした。5歳の人はキノコの展示を見ながら「ツキヨタケが見たい。光るやつ」(どこで知ったのやら)と言って探していたのですが、残念ながら展示はなく。図鑑で写真を見られて少しだけ満足した様子でした。
生き物で発光するものというと、2008年ノーベル化学賞の対象となったオワンクラゲの緑の蛍光タンパク質GFPがすぐに思い浮かびますが、ツキヨタケの発光物質はフラビン類(ランプテロフラビン/5'-α-リボフラノシルリボフラビン)とのこと。ひと口に生物体の発光物質と言ってもいろいろあるんですね。
さらに、この企画展で初めて見て驚いたのは、「押しきのこ」というキノコを台紙に押し付けて作られたアート。中谷佳詩子さんの「恐竜」(ステゴサウルス)や「メルヘン」の作品など、どうやってこれがキノコで描けるのかというものばかりでした。
「臭いです!」のカニノツメ。形はキノコではありませんがキノコとのこと。これも赤マークのラベル(毒か食用か不明)。
こちらは食用キノコのコーナー。
なお通常営業の植物園の方では、藍染に使われるアイの花が満開だったり、
※藍色を出すのは花でなく葉の方
6月の日光植物園では緑しかなかったムラサキシキブに、いっぱいの紫の実が付いていたりするのを見ることができました。植物園は季節ごとに来るのが良いですね。
次回のきのこ展は、「光るキノコ大集合」とかないかなぁと今から想像しています。また、次に公園でまたキノコを見つけたときに、子どもたちがどのような行動をとるのかちょっと怖いのも正直な気持ちです。
●6月に日光植物園(2017)
●6月に筑波実験植物園など(紫陽花、2017)
●つくばで地図と地理と花めぐり(2017.4)