5歳児の初めての「自由研究」は植物とともに

 我が家の5歳児は先月から、画用紙いっぱいに恐竜を描いてカタカナで名前を添え、先週から今度は画用紙いっぱいにカブトムシやクワガタを描いてカタカナで名前を添え、絵を描くことを楽しんでいます。そして数日前からは、花の図鑑や付属のDVDを見ながら、画用紙いっぱいに花の絵を描き始めました。

 そんなお絵描き好きの小さい人は今日=4月中旬を迎えた土曜日=、自宅から小さなビニール袋を持ち出して、サクラが風に舞いタンポポの花が咲く公園へ。
 途中に通った道では、縁石に等間隔で開いた穴から吹き込む風を避けるように、サクラの花びらの吹き溜まりができていました。その溜まる姿は妙に規則的で不思議に感じられ、思わず写真に記録してしまいました。


 吹き溜まりが、縁石に開いた穴ごとに等間隔に切れるサクラの花びら。

 で、5歳児は公園に着くとおもむろに、タンポポの花
(*1) や落ちたサクラの花やら萼(ガク、これも紅色が鮮やか)やらを拾い、袋に入れ始めました。
 曰く、「花を入れた袋に水を加えて揉むと『色水』ができる」のだと。そして、タンポポ[黄色)やサクラ(薄ピンク~紅色)を分けてしまうとその色の水しかできないので、タンポポとサクラの花びらは一緒の袋に入れて水を加えるのだと。ほぉ。

 (*1) タンポポの花は実際には、細い花びら一本のように見えるのが一つの「花」ですね。

 本人の希望通りに花を入れた袋を持って帰り、その中に水を追加。色素の決して強い花たちではないためか、すぐには水に鮮やかな色は付きませんでした。それでも5歳児が袋を揉み続けるうちに(やや袋が弱くなってわずかに水が漏れ出したのでカップを与え!)、その水に色が付いてきたように見えました。



 ただその水の色は・・・茶色? そう思って失敗か、鮮やかにはならないかと序盤は思っていました。しかし、光を透かしてよく見たら、意外にも鮮やかなこの黄色。


 中には紅色のサクラの萼が浮き、意外にも良い雰囲気の色水ができました。モノは試しとはよく言ったものです。

 ただし、ここまでだけでは満たされないのが小さい人の好奇心。曰く、「ここに酢を加えたら色が変わるはずだ」と。アサガオの花から作った色水は、酢を加えることでその色が変わるのを聞いたそうです。

 どーなのよ。

 この黄色はタンポポの花から来たものであると思われますが、土壌の液性(酸/アルカリ)でタンポポの話が変わる例など見たことがありません。それでも、試してみたいと5歳児。そうだ、たしかにやってみないと分からない。そこで酢を投入。結果・・・その色、変わらず。

 期待が外れ、目に涙を浮かべる5歳児。

 そこで「夏になったらアサガオの花でやってみようよ」と提案。

 「夏までなんか、待てないよ」と目から涙がこぼれる5歳児。そして次に曰く、「そうだ、おしょうゆ入れたら色がかわるかも!」

 チャレンジ。



 大感激。「ほら、色かわったよ!!!」(右)

 おしょうゆ、元々茶色だったよって、可視光の一部を吸収してたよって。なんで色は変わったんだろうねぇ…。

 タンポポ(+サクラ)の花びらからとった黄色の色は、小さい人の期待したような変わり方はしませんでした。でも、「データも経験もない」より「データや試した経験が(例えネガティブなものに見えても)『ある』」ことの方がずっと価値がある。そうですよね。

 明日の日曜は、筑波の実験植物園(上野の国立科学博物館のリピーターズ・パスで入れるそうです)に行ってきます。(つづく

 今はまだ、最後の写真の右側の色水から、しょうゆの匂いがうっすらと漂ってくる夜です。明朝、りんごジュースかと間違って飲んだりしませんよーに。

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●2017年4月
 >初めての「自由研究」は植物とともに
 >つくばサイエンスツアー1 ~地図と地理と花めぐり
 >つくばサイエンスツアー2 ~光と地面の不思議巡り
 >つくばサイエンスツアー3 ~電池づくりにプラネタリウム
 >鏡とレンズを通して惑星ツアー
 >空気と土の大切さを実感する畑仕事
「地球に行きたい」5歳児とJAXA展示館(2017年1月)