前週から花の色水に興味を持った5歳児と、日曜日は筑波実験植物園に行ってきました。しかし、植物園は色水を取らせてもらえる場所ではないので他にどうしようかと思っていたところ、
休日運行のサイエンスツアーバス(北回り)が植物園の前に「地図と測量の科学館(Science Museum of Map and Survey)」に寄ることを発見。地図も旅行も大好きな5歳児(そして私も)なら、ずいぶん楽しめるだろうと思って行くことにしました。
というわけで、初めの予定より少し早く、8時半すぎに守谷を出てTX1本でつくばへ。
この「地図と測量」館、期待に違わず素晴らしい場所でした。何がすごいって、地球表面の曲率のスケール感が分かる20万分の1サイズの地球儀。地球は半径が6380km、直径はその2倍の12760kmなので、20万分の1の地球儀の直径は64mほどになるでしょうか。
そんな地球儀上では東京・旭川間、東京・鹿児島間の距離がそれぞれ4.5~5mくらいです。ふだん地面に立ったり飛行機に乗ったりするだけで面の曲がりを感じることはありませんが、地球の直径64mに対して都市間の距離が5mと言われると、その二つを直線では結べないのが分かる気がします。
これまで東京から北海道や九州を旅するだけでは、その距離950kmを地球の径と比べることはありませんでした。20万分の1地球儀は、そのスケールを感じさせてくれる逸品です。しかも、その回らない地球儀の縁から中央の方に旅をしようとすると、実際のその土地ではあり得ない「上り坂」を感じてしまうというのがまた面白く感じられました。そして、地形が分からなければ線路も引けないんだよなぁと思いながら、地図が作られたことに敬意を抱きつつ。
他にも、地図という小さな紙面上にどこに何があるかを書き切るための「地図記号」探しや、普通のおもちゃ売り場にはないほど県の形がリアルな日本地図パズルに5歳児が熱中したり、
三角点の標の下ってこんなにがっしりしてたのかという展示に、へーっと思わされたりしていました。
そして、次のバスが来る直前まで「立体メガネで山谷の凹凸が見える地図」(こちらは地球儀より大きく、縮尺10万分の1)で遊んでいて、危うくバスに乗り遅れかけましたが、
ギリギリ乗せてもらうことができて次の植物園へ。
4月中旬の企画展は「さくらそう」。
花の絵を5歳児のようには描けないぶん、花や木の名前とその作りはよく覚えていきたいと思います。
ロドデンドロン。石楠花(シャクナゲ)という和名で知られる木の学名Rhododendron。属としてはツツジ。-dendronという名が「樹木」の意味。ずいぶん背の高いシャクナゲもあるようで。
チョウセンレンギョウ(朝鮮連翹)。
シャガ。アヤメの仲間で種名はIris japonica。
ハンゲショウ(半夏生/半化粧)。半化粧と書くのは、花粉を運ぶ虫を呼ぶために「葉の片面だけが白くなるから」とのこと(花弁はない)。光合成するはずの葉の表面の色素を落とすとは驚き。
湿地に生える姿がミズバショウに似ているので近縁かと思いきや、ハンゲショウはドクダミ科、ミズバショウはサトイモ科。それ以上に各々が単子葉植物と双子葉植物と、まったく似ていない。白くなる「花」も、ミズバショウのものは仏炎苞という葉が変化したものだというので、やはり外見はそこそこ似ているのですけれど。
クサボケ(草木瓜)。
イカリソウ。その名前はやっぱり、花弁4枚が合わさった姿が船のいかり(錨/碇)に似ているから。
地図の科学館でも植物園でも優しく迎えてもらった小さい人は、飽きることもなくずっとご機嫌でした。そして、当初は植物まで行ったら昼過ぎに帰る予定だったのが、午後もつくばをサイエンスツアーバスで回ることになりました。(つづく)
●文字と地理は好きなもので覚えなはれ(2017年7月)
●地図と測量の科学館(国土地理院)
●つくば植物園(国立科学博物館)
●つくばサイエンスツアーバス(関東鉄道)
乗車券売り場: BiViつくば1F
●つくばエクスプレス