初めて手書きで地図を作った人は本当にすごい

 うちの7歳の人がある日の夕方、家でせっせとトレーシングペーパー(薄い写し紙)に日本地図を写していました。


 失礼ながら紙面に入らなかった島がありますが。
ニュースとのタイミングがタイミングなだけに、ホントごめんなさい・・・。

 手で書かれた地図を目の前において見ていると、もっと昔、元の地図も航空写真もないときに初めてこれを描いた人はすごいもんだと、改めて感じさせられます。そこでそれを描いた人の資料を見るべく「地図と測量の科学館」@つくば・国土地理院に、久しぶりに行ってきました。久しぶりといっても6ヶ月半ぶりですが。


 そう、これ! 伊能忠敬氏らが1800年代初期に測量をして描いた、大日本沿海輿地全図です。

 こうした地図を初めて描いた人たちは、道や海岸を歩きながらそれらが曲がる向きや、星の位置や磁場の向きを観察して今いる位置を確認するなどして、位置や地形を地図として記録していったわけですよね。


 測量のための器械を使いつつ。これは象限儀四分儀)といい、筒を北極星に向けたときの傾きから緯度を測ったり、坂の傾斜を測ったりしたものだそうです。

 そうして測量をした成果として、上のように海岸線の形を高精度で描けたということには、ただただ驚いてしまうばかりです。私なんて、自前で測量しながら四角形に数百メートル回り元に戻ってきたところで、その道程を地図なしで正確に紙面に描く自信などまったくありません。

 7歳の人の関心は少し違うところにあったようで、「日本一周するのに何km歩いたんだろう」「何日、何ヶ月お泊まりしたんだろう」と話していました。泊まった場所の頻度なんて分かるものかと思っていたのですが、


 その記録はちゃんと残っているのだとか。赤が伊能らの測量の軌跡で、青丸が宿泊地とのことです。

 地図と測量の科学館にあるこのモニターはとても面白く、現在の空中写真に数十年前のそれを比べることもできます。


 1970年代半ばの守谷駅茨城県守谷市)周辺。つくばエクスプレスはもちろんない。イオンタウン(以前の名はロックシティ?)もない。家も今よりずっと少なくて、土塔森林公園が今より広い。日本全国についてこんな比較をすることができます。

 この科学館には今回、2時間以上いても足りないくらいだったようなので、またゆっくり来ることにしたいと思います。



この科学館で「4km先の地面は見えない」球面を実感(2018年12月)
つくばサイエンスツアー ~地図と地理と花めぐり(2017年4月)