我らが守谷駅から東に2kmもない所に、守谷城址という城跡があります。地図好き・城好きのうちの小学生たっての希望もあり、最近何度か行ってきました。
この8歳の人が、全国の城のスタンプも集められる日本百名城の続編『続日本百名城』や『日本百名城のひみつ』の本を親戚からもらったので見てみたところ、全国の城の歴史からやや細かい造りまで解説している良本。8歳の人はそれらを覚え始め、天守や屋敷のない城の面白さにハマっているようです。
というわけで散歩がてら行ってきた守谷城址。自然の地形を利用した土塁や堀、それらで区切られた曲輪(郭、くるわ)といった構造がよく遺っていて、想像していた以上に面白いところでした。
本丸の東西両側には、幅広の堀で隔てられた細長い馬出し曲輪があります。この造りは、小田原を拠点として秀吉の関東征伐まで関東に権勢を誇っていた、北条氏の色なのだとか。
●お城用語をわかりやすく解説 馬出し(うまだし)編(日本の城website)
深く広い堀を背景に、シャガの花。(4月中旬~)
そして何より興味を引いたのが、小貝川に沿って広がる守谷市東側の田圃一帯は当時(少なくとも1600年ごろまで)、湖のように内海が広がっていたのだということ。そこに突き出す舌状台地を要衝として城が築かれ、船着き場も設けられていたのだそうです。それがこの町の中心になった面もあるのでしょう。
守谷市の東側は、こんな所だった様子。なかなかに驚きの姿です。
●守谷城(余湖くんのお城のページ)
たしかに、家康が利根川を東遷して関東平野から銚子への大きな水の流れを作るまでは、関東平野は川の流路が安定しない地域で水浸し。標高の少し低い所には、内海や湿地が広がっていたと想像できます。この地域は東京湾まで約40km、銚子までは90km以上ありますが、台地とも言えない丘でも標高10~25メートルほどで、低地はほとんどが標高10メートル未満てす。
守谷には今も、城址の隣にごくごく小さな沼がありますが(守谷沼)、城があった当時そこは牛久沼のような、もっと大きな内海だったとのこと。地形の何と壮大なことかと思わされます。
この低地を南東に、左右に広がる田圃と森を眺めながら進むと着くのは、取手の北西部に位置する下高井。ここにある高台も、守谷城のあった当時はここも小さな舌状の半島で、先端に高井城(下高井城)があったという場所があります。
今その場所は、「高井城址公園」。
こちらも戦国時代末期は北条氏の勢力下にあり、秀吉の天下統一後に廃城になっていますが、土塁に囲まれた曲輪がよく残っています。小さく残っている低い湿地には、今はアヤメ。
郭の内外にある原っぱは、左右前後どちらを向いても小さな虫たちがピョンピョコしていて、生き物好きの人たちを飽きさせません。
歴史を伝える立派な案内板も。
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今回このように、小さな城跡まで見つけて回るきっかけになったのは、うちの8歳の人の好奇心。2月末から小学校が休業してしまったこの2020年の春、うちの8歳の人は休み初めにローマ字を覚え、PCでウェブ検索ができるようになったのでした。
これ幸いと「茨城の城」などと検索をし始め、「守谷城の他にも近くに城跡があるよ」と心踊らせているのです。何かにハマる人たちと一緒にいると、人の集まる所に行き着かずにここまで楽しめるものかと気づかされます。
守谷城から見て取手と反対側の北側にもすぐ、昔は城があったという場所があります。常磐道の谷和原ICのすぐ近く、つくばみらいの「筒戸城」。案内板を見つけたうちの小学3年生は歓喜の舞い。
こちらは遺構は残っていませんが、散歩がてら一緒に来てくれた友達たちと、近くに広がる竹林を楽しみました。新しく伸びてきた軟らかい竹を触ったり(想像以上にふわふわと軟らかい)、
他にも足元に頭を覗かせただけの小さな竹の子を掘り出したり。(持って帰った友達の家では、煮物にしてみて実際おいしかったそうです。羨まし。)
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最後に守谷の南西側、小貝川でなく利根川の側にももう一つ。けやき台から高野の方、利根川側に広がる田圃に突き出す台地にも、今城(いまんじょう)という砦がかつてあったそうです。
今は住宅地の中で「うららか公園」になっていますが。城址の趣を遺す小丘の林の中に、三角基準点を見つけたのがハイライト。社会科が始まって地図記号を習い始める小学三年生たち、是非探してみてね。
この公園を地図で見ると、「崖」を表す地図記号だってありますよ。その10メートルほどの崖の下には田圃に、その間を流れる水路。そこにもたくさんの生き物がいます。
水路は教育委員会的には近づくべきじゃない(と、少し前にお便りがあった気がする)けど、教育的には近づいて観察すべきと思います。
こうした散策から帰れば虫や両生類の図鑑を見ていたうちの人たちでしたが、
一昨日、注文していたますますマニアックな本が一冊届きました。
次は何が見つかるのか、楽しみです。