宮古島で光と地層と水を楽しむ



 出張で5日間宮古島に行っていました。出張目的の会議だけでなく、珊瑚礁に由来する白い砂浜、それを浅瀬の底に広げたシアンの海、厚い石灰岩質の地層を生かして何と地下に整備されたダム(1979年供用開始、2000年完成)、それに古い井戸なども面白いものでした。


 1700年台に掘られたという大和井(ヤマトガー)。土壌が石灰岩質であり、島全体で雨水がすぐに地下に浸み込んでしまう宮古島では、水を汲み上げられる井戸がとても貴重だったとのことです。


 ビーチにも珊瑚の欠片がゴロゴロ。

 出張では、光を材料として研究を展開をしている先生が一緒だったこともあり、珊瑚礁があり独特の色を見せる海やビーチを面白く見ることができました。シャボン玉のカラフルな縞模様なんかもそうですが、身近なものがなぜそのように見せるのかというメカニズムなど、複数の分野を深く知ることで面白さが倍増するものは数多いように思います。


 川満のマングローブ林。

 「マングローブ」って、この湿地から根をピョコピョコと出す木の名前だと勘違いしていました。調べてみるとそうでなく、マングローブは淡水と海水とが混ざった所(汽水域)に生育する、一連の植物群のことを指すのだそうです。
 その底にビッシリと生えた根(土から上に覗いた位置で蛸足状に分かれていて、呼吸根や支柱根と呼ばれる)が、水をフィルター(栄養分を豊富を含んだ水を海に広げず受け止める)の効果を果たしたり他の生物の棲みかになったり、波で海岸が削り取られるのを防いでいたりするそうですが。

 ※2017年4月1日追記: ピョコピョコ出ている根はオヒルギの膝根。幹から多数枝分かれして泥に生やしている根はメヒルギの板根。同日のブラタモリ奄美の海」より。


 ヒルギ科:マングローブ林でよく見るこの植物の種類。

 しかし、3月の宮古島は晴れるどころか曇りがちの日が多く、強風雨も来てなかなかシアン~エメラルドグリーン色の海を見ることはできませんでした。仕事の最終日を終えた夕方に、今回はこのくらいを曇り空の下で楽しむのが精一杯かと少し弱気になりましたが・・・


 アダンの実の落ちていた海岸@パイナガマビーチ。

 翌日帰る日は、晴れ!


 シギラビーチ。石灰岩質のゴツゴツした海岸沿いには、ダイビングで魚を探している人たちもたくさんいました。


 東平安名崎:宮古島の南東の端。

 帰りの空港に向かう直前の最後の最後に見られたのは、珊瑚礁の海ならではの白い砂浜と明るく青い海。ありがとう!


 前浜ビーチ。こんな宮古島を帰る直前に見ることができて幸運でした。眩しかったー。