「地球に行きたい」と言う5歳児とJAXA展示館

 2017年3月の末、金曜は冷たい雨が降り始めましたが、木曜の夕暮れ西の空に細い月が見えました。宮古島出張が満月前後の大潮だったことを思い出し、それから半月(2週間)ちょっとが経ったのだということを実感しました。空を見ながら、時の経過が分かるのはありがたいことです。



 こちらから見て月が細く見えるとき、向こう(月)からは地球の太陽に向いた面が見えるので、地球は満月に近い形(満地球?)に見えるのだろうなぁと思います。地球は月と比べて直径で3.67倍、断面積で13.5倍大きいのでずいぶん明るいんだろうなぁとも。だから、三日月は太陽の光が直接当たらない側も「地球照」でぼんやり明るく見えるわけで。



 ただ、地球から見る月と違って、月の上に立って見る地球は昇ったり沈んだりしないはずです。月は自転周期と、地球の周りを回る公転周期とかほぼ同じですから。そのために逆に、地球からは月のあの「うさぎ」のいる同じ面がいつも見えるのですよね。と言っても、月の上に立ったことはまだないので実際のところは知らないのですが。
 それでも、博物館とかで月から見た「地球の出・入り」の映像を見るたびに、これ、カメラを月の上で高速で飛ばして撮った動画の早送り再生なのかな、と思って見てしまうのも正直なところです。すみません。

 今年は先々週に行ったスミソニアン航空宇宙博物館や、日本国内の自然博物館や科学博物館の他、年始にはつくばにあるJAXA展示館にも行く機会がありました。いろいろな惑星の写真を見て回っていると、だんだん小さい人にもマニアックな写真がそれぞれどの惑星のものか分かるようになるようです。



 そして、そんな写真を見て回りながらうちの5歳児が言うに、「ボクも地球に行きたい」。その言葉の意味は、初めて聞いてから理解するまで少し時間がかかってしまったのですが、



 地球がこのように見えるその場所に行きたいんだ、ということのようです。足を置いているこの地面は、まだ地球とは認められていない様子。あのように見える場所に、願わくは、数年ちょっと後には行ってみたいものです。

 JAXAでは広報事務室の棟にある、地球の様々な地形を撮った写真も素晴らしいものでした。大きな内海丸ごと一つとか、普通の飛行機からでは見えない写真もあったと思います。その写真は、飛行機より高く遠く上がって眺めても雲で見えないことも多いでしょうから、貴重なんだろうなぁとも思いつつ見るものばかりでした。

 他にも地球の砂と性質の大きく違う月の砂とか、あまりにも広い宇宙の中での宇宙機(探査機)の制御とか。計算外の動きをされると海に落ちた飛行機も簡単には見つからないのに、軌道に乗っている人工衛星や探査機は計算通りに制御できるとか、遠く海王星冥王星からも写真のデータが送られてくるとか。専門知識がないとできると到底思えないこともできるのだなぁと、自然科学の展示は驚かされずにはいられないものばかりです。


 月の砂は砂時計のような小さな穴から、なかなか落ちないんですって。(右)

 次はどこに行こうかな。

●2017年4月
 初めての「自由研究」は植物とともに
 つくばサイエンスツアー1 ~地図と地理と花めぐり
 つくばサイエンスツアー2 ~光と地面の不思議巡り
 つくばサイエンスツアー3 ~電池づくりにプラネタリウム