何をもってクリアな研究発表か

 2013年6月5日、IPTC 2013の2日目。朝からよく晴れていて、昨日の朝見た曇りの下とはライン川が違った色に見えました。



 この日の午後に、私も研究発表を終えてきました。発表の後のbreakで、今回出会った複数の先生方から「あなたの発表はクリアで良かった」と言ってもらえました。
 私の英語の発音がクリアはなずはないので、クリアと言ってもらえるとしたら、そこには次の3つの要因があったと思います。

 ①社交辞令
 ②ロジックが明快(課題設定から目的と結論、それを導く方法までが一貫している)
 ③ビジョンが明快(いま持っているデータと結論から、その後の研究の展望までが一貫している)

 ①はともかくとして、②③が私から学生に、優れたデータを出すことと併せてその価値を伝えたいことです。
 まずもちろん、研究の背景について無知では、②③を描いて明快に示すことはできません。次に、自らの足元にある“巨人の肩”の高さと広さを知り始めたときに、自ら描く②③の不完全さに苦悩することでしょう。私自身、新しく挑戦している研究分野では、そこが今も頑張りどころです。

 しかし、その苦悩を乗り越えれば自分自身にしか描けない展望が拓ける― そう思うのです。

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 思えば3年前、私が初めて経験した海外での口頭発表では、質疑応答でまったく答えられず、悔しく申し訳ない思いもしました。
 しかしその後も、この分野の先生方が国際会議で私を壇上に上げてくださいました。そのおかげで、私は成長させてもらっていると思います。

 座長を務めてくださったGunter Oberdoter教授が、フロアからも手が挙がる中でご質問をくださったこと、会議に出席できなかったうちの武田教授の名前も挙げて、ディスカッションをしてくださったこと。
 私たちの次世代影響の研究が欧米でも評価され、興味を持ってもらえていると感じます。

 その価値と誇りを、少しでもいいので、学生・共同研究者と共有したいものです。



 発表後、今日は旧市街のライン川畔のお店で夕食をいただきました。



 日没は午後9時すぎです。日出は朝5時台。
 また明日。



●2013年6月3~7日
ドイツ・デュッセルドルフへ
ブリッジから学会(IPTC2013)へ
デュッセルドルフ朝jog
ブリュール・アウグストゥスブルク城
20世紀中頃のドイツと時代(渡航前に)