坂根正弘氏「省エネ世界一宣言」の提案

「ビジネス生かし『省エネ世界一宣言』を」

来週、2010年5月27日から日本経団連
副会長に就任予定の、コマツ会長の
坂根正弘氏の言葉です。

「省エネ世界一宣言」は、坂根氏が経団連
提案している言葉で、日本の取るべき環境政策
示したものです。

私は、2010年5月12日の新聞(*)を見て
同氏のこの言葉を知りました。
(*: 朝日新聞朝刊19面「オピニオン」
 『CO2削減は多国間協議に頼るな』
 ~ビジネス生かし「省エネ世界一宣言」を。
  まず新興国と交渉せよ~)

これは、どういうことを目指した言葉なのでしょうか。


上記の新聞の特集記事では、
温室効果ガスの削減の枠組み作りを目指した
国連の締約国会議(COP)の限界を前置きした上で、
次のような坂根氏の言葉が紹介されています。

COP15を間近で見ましたが、
 190もの参加国の合意ができるとは
 とても思えませんでした。」

同氏は、“環境と経済は両立できない”とする
主要国の前提に疑問の意を示した上で、

「もし環境と経済の両立ができる国があるとすれば、
 それは日本だろう」

という持論を表明しています。
根拠として、技術開発に際して5年、10年、20年もかけて
細かい部分まで調べ尽くす日本の技術者を指して、

「環境技術は日本人に最も向いた技術」
「地味な作業の積み重ねなくして」「技術の差はつかない」

と断言しています。
実際に同氏は、最近の経団連の会合で

「すべての業界が『省エネ効率世界一』を宣言しましょう」

と提案し、“省エネ”という観点から
世界を牽引できる産業を、
日本に育てていくことを提案しているそうです。


温室効果ガス放出量の削減目標数値の大きさや、
排出量取引の導入を競うばかりでなく、
持続可能な成長を実現するための展望を描くこと。
冒頭で紹介した言葉は、それを促すものです。
展望が描かれ、それが実行されることを期待しましょう。


同氏の言葉は、こちらのブログでも
紹介され、解説されています。
・「省エネ世界一宣言
 (エコトラストさんブログ『環境用語 ECO-TRUST BLOG』より、2010年5月13日)