アイディアは育てられるのか?

 自分の話した内容が、うまく伝わらない。面白さを伝えたいのに共感してもらえない。内容を誤解されてしまう。
 そういった経験はないでしょうか?

 私は、6月末から立て続けに3つの学会で発表をさせてもらいました。2つの国際学会(国内開催)にも参加でき、いつになく色々な人と交流することができました。これらの学会への参加を通して、ずっと考えてきたことは、次の2点でした。

・どうやったら、自分のアイディアが伝わるのか?
・どうしたら、自分の考えを伝えつつディスカッションができるのか?

 自分の発表したいこと、伝えたいことを、誤解されることなく伝えるためには、どうしたら良いでしょうか?
 最近、私たちの発表論文が出版社などで大きく取り上げられることもあったのですが、それは私に、発表することの恐さと責任を認識させられる出来事でした。そんな中、次の本に出会いました。

 発表をするときには、内容が誤解なく伝わり、それが人の記憶に残るような発表がしたいものです。この本には、『話やアイディアを、人の記憶に焼きつくにように育てることはできるのか?』という問いに対する答えの例が示されています。

 一つの答えは、「結局これか」とも思わされるこの一文でした。

 「自分がしてもらいたいことを、他人にせよ。」

 自分にとって、人の話・アイディアのうち、記憶に焼きついたのは、どのようなものだったか? 自分のアイディアを、それに近づけることはできるのか?(質的に・相手にどのように伝わるか、というレベルで。)
 それを類推することが、一つの有力な方法でしょう。

 この本は、「Made to Stick」という本の邦訳版です。訳書にありがちなことですが、分かりにくい具体例もこの本にはいくつか出てきます。また、理解し難い比喩も多く見られます。しかし、その意味を理解しようと考えることも有意義かと思います。

 この本からは、アイディアが人に伝わるよう育てるために必要なことを、読み取ることができます。面白いと思ったことを、他の人ともっと共有できるようになったら、どんなに素晴らしいことかと思います。

 

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