生きた細胞で生体分子1個を観る新しい顕微鏡法を開発
-従来の落射照明法の8倍もの高画質を実現-
(国立遺伝学研究所、理化学研究所、NEDO)
本研究成果のポイント
・ 細胞の厚みより薄いスポット照明を世界で初めて顕微鏡に適用。
・ 生体分子の3次元観察とともに、時間と他の分子との相互作用を加えた5次元情報を取得することを可能にする。
・ 生体分子の動きを、システムとして明らかにする新しい分野を切り拓くツールに。
(NEDO プレス発表より) ====
万物は微小な分子・原子から成っており、その小さなものを見ようとする研究は、盛んに行われています。
小さなものを見ることのできる、顕微鏡。見えないものを見えるようにしようとするために、物に光を当てたきの反射光の検出方法を変えたり、蛍光を利用したりするという工夫が、今までにも重ねられてきました。
今回レポートされた方法は、「弱い光」を「薄く」当てることで、生きたままの細胞を観察できるようにしたそうです。「薄層斜光照明法」と名付けられ、紹介されています。このような方法が、生物の不思議に迫ってくれることでしょう。
文献はこちら。
・ Tokunaga M, Imamoto N, Sakata-Sogawa K. Highly inclined thin illumination enables clear single-molecule imaging in cells. Nat Methods 5(2): 159-161 (2008)