この8月末は、研究室の学生と一緒にインド・チェンナイの共同研究者を訪問してきました。2020年1月(コロナ禍直前!)以来3年半ぶりでしたが、
ウシたちももちろん元気です。イヌもヤギも。
8月のインドは「最高気温『の平均』が35℃」と聞いて初めは気が引けたのですが、関係する研究に取り組んでいる学生に聞いたところ「暑くても行きたい」という返事。思い切って行ってきましたが、今夏7~8月の猛暑の中も走っていた経験が活きて無問題でした。 訪問先はSRM-IST大学。インド全国から優秀な学生の集まるマンモス私立大学で、キャンパスではちょうど、年に何回もあるというインド各地域の祭の一つも行われていました。その時間は大学に併設したゲスト用のホテル玄関も、いつもより少し豪華な装飾に。
訪問した大学では、新しい共同研究もまた一つ具体的に始めることになり、楽しみな限りです。
+ + +
3年ぶりのインド料理!
キャンパス内の売店Happy Kitcchenで買ったランチに、3年ぶりのDosa(チーズ入り)。旨くておすすめ。
滞在中、昼すぎまではセミナーや打ち合わせを行い、夕方は近郊の名所に足を伸ばす機会もいただきました。到着した初日の午後は「まずは休んで」と言ってもらえたので、地元の市場を見て休んで(!?) もきました。大学から街に行くのに、インドの鉄道にも初めて乗車。
インドのスタイルで、走るときも閉まることのないローカル電車の扉の近くにて(普通に目にゴミが入るので注意)。先日日本では廃線跡の線路の上を歩いて喜んでいたばかりでしたが、インドでは廃線じゃなくてもこの線路の上を歩く人たちが普通にいます。
閉まっている踏切も何のその。列車が来る少し前でも遮断機をくぐってる・・・ 自転車や小型バイクに乗ってる人が・・・
3年半ぶりに来ました、タンバラン (Tambaram) 市場。喧噪の中心地とでも呼びたくなる、市民生活の重要エリアです。
6世紀に建てられたというパルタサラティ (Parthasarathy) 寺院に、
こちらはタミル人の南インド王朝(パッラヴァ朝)時代の7世紀建立の、カパリーシュバラル (Kapaleeshwarar) 寺院。Shivaを中心に神のたくさんの石像が置かれているのが印象的ですが、チェンナイ(マドラス)は1600年代(17世紀)に英国が初めて入ってきた場所でもあり、ここも植民地に支配される時代も長かったはず。昔から変わらず残っているものが見てきた様々な歴史の場面に、思わず想いを馳せてしまう名所だと思います。
こちらは世界文化遺産のMahabaripuram、やはりパッラヴァ朝時代のもの。車から降ろしてもらった次の瞬間、突然現れたFive Rathas(ラタ:石彫寺院)に、
Rock Cut Mandapa(石窟寺院)。下に柱の並んだ神殿のように見えている寺院が、大きな花崗岩一つがくり抜かれてできているらしい。そんなことができるのかと圧倒されるばかり。
この「Arjunaの苦難 (Penance)」も、1つの岩を彫ってできている岩壁彫刻(浮彫)。
そして岩がくり抜かれてできたものがあったと思えば、
今にも転がり落ちてきそうなのにビクともしない謎の岩とか(クリシュナのバターボール)。
海岸沿いのShore Temple(海岸の石造寺院)。最後の夕方はこの世界遺産エリアで少しゆっくりできたのですが、街はどこも人(というよりバイク)が多くてカオスなのが “インドらしい” です。
車間距離が狭いだけでなく、間をパズルのように入り込んでくるバイクに、逆走もしてくるバイク。高速運転でも車間距離が狭かったエジプトでも、逆走車はいなかったような。車線を示す点線はあまり意味がなく、あくまで車線数は目安です。実線で引かれている中央線も目安。多数のバイクやところどころ舗装の剥がれている箇所を避けて走る必要がある、という理由もあるのかもしれませんが。そんな状況は非効率だなと思いつつ、同時に感じられるenergeticさがここの魅力です。(energetic:ギリシャ語の "energetikos"(活動的な、活気のある、作用の強い)が語源)
こんな文化というか状況も、10年単位で変わっていくのかもしれません。変わった後に訪問したときにその違いを思い出せるように、今回見たものを書き残しておきたいと思いました。
今回、行きはシンガポール乗継でのチェンナイ行きでした。
シンガポールからはマレー半島上空からインド洋に抜け、ニコバル諸島なども目下に見える初めての航路で。(2014年9月に、国際会議のハシゴでカタールからマレーシアに飛んだときに近くを通った可能性はありますが。)
チェンナイの東側は砂浜。最近では2004年12月に、スマトラ島沖地震によるインド洋津波の被害を受けもしたそうです。上空からは、2018年から開業し始めて少しずつ延伸しているチェンナイメトロの筋も。今は渋滞の激しい街が、何年か経ったときにどうなっていくのかも楽しみに思える3日間のチェンナイ訪問でした。
帰りはデリー乗継で、ヒマラヤ山脈を避けるようにやや南に進路を取りながら戻ってきました。
帰ったら9月!
+++
●インドの時差: 日本−3.5時間
●インドの通貨: ルピー(1ルピー=1.6〜1.8円)
●チェンナイの天気
●インド渡航準備
・出発の4日以上前にe-VISA申請!(4日前と言わず1週間以上前にやりましょう)
もしくはアライバルビザの申請準備
・パスポート!
・クレジットカード、現金
・PC、充電コード
・スマホ、充電コード
・マルチタイプのプラグ変換器(ただし、日本のプラグはインドのものに合うようで今回は形状変換の必要がありませんでした。)
・衣類(インドでは、大学や寺院に入るときにハーフパンツなどはNG)
・ランニングウェア、シューズ
・サンダル
・ティッシュ、ウエットティッシュ
・洗面用具、爪切り、絆創膏、防虫剤・虫刺され薬
※ 帰国する際は、Visit Japanウェブサイトで税関審査のための情報を事前に登録できる。