2015.3.7 アレキサンドリア到着

 エジプトでは一昨日のシンポジウム開催など、あっという間の5日間でした。初めてエジプトに降り立った正直な印象は、もう今しか書けないので書いておこうと思います。



 この国のデルタ地帯。河口近くでも意外と曲がりくねっている、ナイル川の上を越え、アレクサンドリアのボルグル・アラブ(Borg El Arab)空港に着いたのは、2015年3月7日(土)午後5時。北の端とはいえ初めて降りた、アフリカ大陸。空が広い!



 ダマンフール大学の学生Ahmedさんが迎えに来てくださり、アレキサンドリアの街へ。途中、初めて見る油田(derrick)の横を通り。





 雰囲気ある道を進み。





 しかし、インフラの整備が完全でないというのがどういうことなのか、初めて理解しました。


 これでも、小さいとは言え国際空港から、街に向かうメインルートです。

 これもきっと、飛行機に乗って空から見ればきれいな一本の道。でも、レーンを分ける点線がなければ、路肩もない。それどころか、たまに小さい穴どころの話でない凸凹もあり。
(※アレキサンドリアとカイロとを結ぶ道は、そんなことありませんでしたが。でも、みんな点線はあまり気にせず走っています。)
 そこを皆、クラクションとパッシングを駆使して運転しているんです。(車で移動していてもホテルにいても、本当にずーっとクラクションの音が耳に入ります。)

 しかも、街に入っても横断歩道も歩道橋もないので、車が3, 4列で走る道を歩行者が渡ってますから。それどころか、車が3, 4列で渋滞する真ん中で、キャラクターの風船を売りに来る人とかいましたから。


 空港から1時間走って、最後は街の大渋滞。19時ごろ、地中海に面したホテルに到着しました。向こうは地中海。

 かたや日本は、あれほど国土が狭いのに路肩もしっかり整備して。結構な路地まできれいに整備されて。でも、コストをかけただけその分、しっかり経済効率・生産性が上がってるはずなんですよね。

 一方のエジプトの道ですごいと思うのは、小さな交差点がサークルになっているだけでなく、大きな交差点も立体交差になっていて信号がまったくないことです。車線変更(車線ありませんが)は大変ですが、止まらずに行き来できるのは羨ましいです。もっとも、そうなっているのも信号を管理するつもりがないからかもしれませんが。
 なお、ホテルの前には数kmに1, 2つしかない信号(交差点でなく、歩行者用信号)があったのですが、車側の信号が赤でも、歩行者をかきわけて進もうとする車の姿がありました。

 この、街の作り方の分かれ目はどうやってできるのか、この国もこれから変わり得るのか、変わるとしたら何をきっかけに、いつ頃変わるのか。とても興味が湧きます。
 しかも、アレクサンドリアのことを地球の歩き方は「カイロのほこりと騒音に疲れたら、ここは、願ってもない休養の街となる」って書いているんです。このクラクションを聴きながら休養!? カイロっていったい、どんなところ!?? って思ってしまいました。(カイロの方、すみません。)

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 この、空港から街まで公共交通機関のない街に来て、タクシーに乗っても通るであろうガタガタ道と大混雑を通りながら無事にホテルに着いたわけですが。
 私はこれまで、どこに行っても一人で移動して、…というより正確には、一人でも移動できるような場所にしか行ったことがなかったのですが。今回、一度降り立ったくらいではとても一人で移動できない、という場所に初めて足を踏み入れました。

 「そんな国」から、一人で2年半前に日本に来たYasser先生。来日したとき、成田空港から寮まで、そして寮から大学までは道を事前に伝え、一人で来てもらってしまったのですが、それが彼にとってどんなに不安で心細かったことか。どんなに勇気が必要だったことか。
 それで今なお良い関係を築いてくれる彼がどんなに偉大な存在かと、この初日の車の中で思わず感じていました。(なお、この翌日から会った彼は、彼の国でもやっぱり陽気でアクティブで愉快なお父さんでした。)

 そして、彼の友人でもあるHazem先生は私に「こっちに来たら走るの危ないから気をつけろ」と言っていたのですが。着いてみて、その理由は治安が悪いからでなく、街中でもまともな歩道がないからだったのだということを、来てみてとてもよく理解できました。



 ま、ちゃんと毎朝、エジプトの人たちに混ざって走りましたけど。海岸沿いなら、歩道もあり他の道を渡る必要もありませんでしたので。

 5日前、この見たことのない雰囲気の土地に、俄然やる気が出てきたわけです。今は、アラビア語を覚えるやる気溢れる中、もうすぐここを発つところです。

<2015年3月~ エジプト出張>
●2015.3.7 アレキサンドリア到着
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