2019年末の旅行の前半は、宇治から奈良、大阪、京都をぐるっと回り、大津に泊まりました。
宇治橋。この辺りが東京より長く、日本の中心としての歴史を持つことを至る所で感じさせます。鎌倉時代が始まる直前の「宇治川の戦い」があったのもこの近く。
今回の行き先に近畿を選んだ理由はいくつかありましたが、「10円玉」の平等院鳳凰堂、何と言っても大きい東大寺大仏殿、7歳の人がまた行きたかった大阪城と二条城、金色がインパクトのある金閣寺を1日半で回ってきました。
本当は奈良公園や京都の北山もゆっくり歩きたいところですが、今回は小さい人たちも飽きないインパクトがあり、かつその町のシンボルを巡る旅でした。そこに、
① 小さい人たちが元気な朝一番からよく遊べるように、朝一の目的地近くに宿をとることと、
② 昼と夕方に昼寝できる移動時間をとること
の二つを盛り込んだ作戦が、今回は見事にハマってくれました。
平等院。平安時代(794年~1185/92年頃)のうち摂関政治が全盛だった時代の1052年に、摂関藤原氏の藤原頼通が創建したもの。
鳳凰堂。小さい人たちも10円玉の絵と見比べながら楽しめます。1歳の人は「お寺に行ったら10円玉」なのかと勘違いしたようで、翌日金閣寺に行ったときにも10円玉を求めてきましたが。
鳳凰堂の中央に置かれる阿弥陀如来や、52駆の雲中供養菩薩など、極楽浄土、つまり死後の世界の優美なイメージを形にして、将来いつ来るかわからない「死」に不安を覚える人々を勇気づける役割を担ったようです。
鳳凰堂の隣の展示館は、すごく小さい人も動物の絵が好きだと、鳳凰、鐘に描かれた獅子に、「まさに色々」の雲中供養菩薩を間近に見て楽しめます。
宇治からは、JR奈良線とバスで東大寺へ。奈良駅から東大寺までは、興福寺や奈良公園中を歩きながらでも行けますが、7歳の人をバスで座らせて体力を温存することを選びました。(この日は結局、7歳の人も12kmくらい歩きました。)
東大寺前の奈良公園。7歳の人は名物・鹿せんべいも楽しめました。1歳の人は、口の周りにみかんの香りが残っていたのか、鹿が寄ってくるので要注意でした。
そして東大寺へ。大仏「盧舎那仏」は平安時代の前、災害も多かった奈良時代の752年に、人だけでなくすべての生き物が幸せに生きられるようにと作られ(でも、実際に汗水流して作った人は誰?)、6年後の758年に大仏殿が建てられました。
この大仏は、平等院の阿弥陀如来を見て「おっきいねー」と感激した1歳の人にも見てもらいたかったのですが、宇治から移動してきて大仏殿に着いた瞬間に眠りに落ちてしまいました。今回は残念。
7歳の人の方は、子ども用の音声ガイドを片手に大仏殿を見学。世界最大級の木造建築ですが、初代の大仏殿は幅が今の1.5倍もあり、さらに大きく、左右に塔も従えていたとのこと。すごいインパクトだったんだろうなと。今でも屋根は、通常より4倍も大きい瓦が11万枚も貼られています。
また、752年の大仏開眼供養法会の導師は、インドから招聘されていた菩薩僧正(名は婆羅門僧正、菩提僊那とも)が務めたことなど、色々と再認識できての驚きがありました。
大仏殿の中を見学している間に雨が降ったようで、外に出てみると周りは雨上がりの景色でした。雨上がりの陽が射す大仏殿は眩しく、神々しく見えました。“神” ではありませんが・・・。
東大寺の境内には新しくミュージアムができており(2011年~)、開眼供養会のときに収められたもの(つまり1200年以上前のもの!)など素晴らしい所蔵品も見学できました。
奈良から次は近鉄で移動し、大阪へ。
2016年9月に来て以来の再訪になった大阪城では、桜門枡形の石垣にある巨石に驚き。108トンもあるそうです。
ここで日にちを変えて翌日、場所を京都に変えてまずは金閣寺に向かいました。
鳳凰も金色。
鳳凰は顔と羽の形から鳥にしか見えませんが、実は頸(くび)が蛇、背は亀と複数の生物種が混ざった形なのだそうです。そうだったのか。
金閣寺から次は急行バスで快適に南下し、二条城。二の丸御殿とその前にある唐門の立派さは、いつみても感嘆します。唐門は2013年に修復が終わったもの。
二条城の内堀沿いに残る天守台(この写真では奥)。ここに1626年に完成した天守は、歴史上天皇が登った唯一の天守閣でした(後水尾天皇、2回)。しかし、それも1750年に落雷で焼失してしまっているとのことです。残念。
京都の二条城や四条河原町(祇園)の方から大津へは、地下鉄~京阪京津線を使って京都駅を経ずに大津に出られます。京都の大きい駅を通らずに市内を出られる、子連れに嬉しいルートです。
大津では、思いがけず年末の光飾りの中を歩き回ることができました。
小さい人たちは、たぶん2℃くらいしかなかった中を走り回って額に汗かいていましたが。
年明けて2020年。光豊かな平和な一年になりますように。