心身の発育を促す「運動あそび」@幼少児健康教育セミナー

 発達障害児の発育支援。その子たちが抱えてしまう問題には、コミュニケーションや自身の気持ちの制御が苦手だったり、手指を体全体を使う運動の細かな制御をうまくできなかったりすることが挙げられます。
 そういった運動や情緒を制御しているのは、神経系の中枢である脳。この中枢(脳)が末梢(運動神経や感覚神経)を制御するのはもちろんですが、逆に中枢の機能の発達が、末梢から入る刺激によって調節されもします。

 なので、運動や感覚を通した試行錯誤を繰り返せる環境を作ることが、子どもたちの健康な発育、とくに脳が司るこころの発育のために大切なんですよね。そのコンセプトは、発達障害児に対する療育にも活かされているのだろうと思います。療育だけでなく、運動遊びしかり、コミュニケーションしかり。子どもたちの発育のために、彼らのコミュニケーションや運動遊びを見守りながら、彼ら自身の振る舞いに周りの人たちがどういう応答を返し、互いにどういうやり取りをするかということが大切になってくるのでしょう。

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 先週末、2019年11月17日は水戸で開催された、日本幼少児健康教育学会の「第101回セミナー」に参加してきました。

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 テーマは「発育発達と健康づくりに欠かせない運動あそびの重要性」で、大人も子どもも一緒に運動あそびや工作を体験する内容。アットホームパルの檜山良子先生の、さすがプロフェッショナルと思わせる構成で、とても充実したものでした。

 跳ばずに体全体や手首を使う、思い思いの "なわあそび"。でも、なわを手にすると跳びたくなる子どもたちの意を汲んで、なわとびをする場面も。

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 スプーンを使ったピンポン玉運び競走や、手作りフリスビー投げに、手指を使う工作も。

 子どもたちの意欲や希望を聞きながらのコミュニケーションに、運動あそびの体験。初めての動きが上手くできなくても、試行錯誤をしたり、互いの動きを観察し合ったりしながら、だんだんにそれが上手くできてくる体験。

 その中で見られる、発達の遅れが気になる子も運動や工作の得意な子も、自身やお互いの動きを見て学び合う様子。それを可能にする「場」づくりについて多くのヒントに溢れるセミナーでした。

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 子どもにも大人にも、やりたいことを「もうちょっと上手く」「もう少しでも思い通りに」できるチャンスがありますように。そうできるヒントに、少しでも多く気づける環境が一人一人にありますようにと。そんな環境づくりに、自分自身は日頃から何ができるかな、などと考える機会になった一日になりました。