【南東北】出羽仙台街道~鳴子温泉

●前編: 新庄~瀬見温泉へ

 2015年9月の連休旅行中日、瀬見温泉を出て東の鳴子温泉に向かいました。列車の最後尾から線路を目下に、後ろの眺めが絶景。川に架かるローカル線の橋とか、風情満点でした。



 この東西のライン、陸奥の「陸」と出「羽」の羽をとって「陸羽」と呼ばれます。陸奥の「奥」の方をとって「奥羽」という言葉もありますが、このラインは西から東は三陸まで伸びることから「陸羽」と呼ばれるようです。
 このうち、小牛田・古川から鳴子温泉郷を通って新庄までを陸羽東線と呼びますが、これが由緒ある街道に由来する道であったことを、今回の旅で初めて知りました。

 この道、出羽仙台街道と呼ばれていたそうです。伊達政宗が発展させたことで有名な仙台から、古川奥州街道と分かれ、最上川中流舟形(現在の新庄のすぐ南隣)までを結ぶルート。ここは最上川から揚がる物資を運んだ他、出羽三山への参詣道であり、松尾芭蕉が通った奥の細道にもなっています。

 その途中に、多くの温泉があったのです。陸羽東線は「奥の細道湯けむりライン」の愛称がついていますが、途中の数十kmの間に瀬見・大堀・最上・赤倉・中山平・鳴子・東鳴子・川渡と温泉郷が連なり、まったく名前負けしていません。一帯の温泉は源平の時代からあったようで、それにちなんだ逸話も残っていました。



 鳴子温泉駅は、列車から一歩降りるだけで温泉の香り。周りにも温泉湧出地がたくさんありました。
 鳴子はこけしでも有名です。材料のみずきの木を真っ直ぐに、横向きにろくろにつける技、摩擦熱を使って頭をはめる技、色付けをして変わるこけしの姿、見入ってしまいました。うめ家にも、見たことのないこけしちゃんがいらっしゃいましたよ。



 鳴子の南にある潟沼は、pH2前後と酸性度の高い沼。



 魚は住めず、藻も生えず、水が澄んでいて底の石まで写真に写ります。ユスリカのみ多く生息。羽音は蚊そのものですが、他の生物の血を吸いません。助かります。

 鳴子温泉の西には鳴子峡。狭い狭い真下の峡谷に架かる短い橋、トンネルの切れ目に一瞬姿を見せた列車に驚きました。



 誰がこんなものを設計し、誰がトンネル掘って橋で繋いだのか。土木の技術って本当にすごいです。そして夕暮れの中、岩肌でなく山の木々が、グランドキャニオンのように色を変えていく姿に見入りました。



 一夜明けて、9月23日は秋分の日。朝は一人で鳴子を走って回った後、





 車で山を上がり、鳴子の北、鬼首・吹上温泉の間欠泉へ。3歳児が楽しんでくれるといいのだけどどうかな、という想いは杞憂に終わり、8分おきに噴き上がる温泉に「もいっかい!」が続き、帰りが読めないほど。





 滝も湯気の上がる温泉。

 ここを楽しんで帰路についたのですが、最後に福島でもう一つ、子どもの喜ぶスポットがありました。



 鼻がっちゃん。

●前編⇒【南東北】新庄~瀬見温泉へ(2015年9月)
●翌々年も9月連休に東北へ⇒子連れ家族で岩手・八幡平(2017年9月)