書籍紹介-新しい産業や新しいビジネスモデルを生み出すために

 後輩に借りた本でビジネスモデルについて、とくにそこで使われる言葉について調べてみました。



●新しいビジネスモデルって、どのようにして生み出せるの?

 ビジネスモデルの構成要素としてこの本で示されているのは、顧客、価値提案、チャネル、収益の流れ、リソース(必要な資産)、活動、パートナー、そしてコスト構造です。新しいビジネスモデルは、既存のビジネスでは満たされないニーズに応えるだけでなく、構成要素を改善することでも生み出される可能性があることを、この本を読むとイメージすることができます。
 また、この構成要素を列記する“ビジネスモデルキャンバス”を活用することで、思い描いているビジネスモデルに足りない要素は何であるかを評価することもできるようです。

●ビジネスをうまく回すための「デザイン」

 この本の一つの章は、「デザイン」についての内容に割かれています。ビジネスモデルを構築していく上で「デザイン」が有効であるということは、考えてみれば当然ですが、私にとってはこの本がその重要性を再認識できるものでした。
 デザインの方法としては、とくにビジュアルで表現することやストーリーを描くことの意義が示されていました。どちらもなるほどと思わされ、自戒を促されるものでもありました。

 実際にビジネスを立ち上げて回していく上では、様々なタイプの人が必要だと思います。この本では、「ビジネスモデルイノベーションの顔」として起業者、投資家、コンサルタントなどが挙げられていますが、これと並べられているもので私が面白いと思うものに「デザイナー」がありました。その役割は、顧客(クライアント)にビジネスやアイディアの「本質を伝える」ことであるということです。
 ビジネスの立ち上げや経営の専門家が、ビジネスの本質を表現することにも長じているとは限りません。もちろん、何かを表現したり伝えたりすることに長じた人が、誰でもビジネスの本質を伝えられるわけでもありません。こういう所に、専門家と専門家をつなぐことによって新しいモノやサービスを生み出せる面白さがあると思います。

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 今の私には難しい内容も多かったのですが、私自身が近い将来プロジェクトか何かを立ち上げるときに、参考にしたいと思う本でした。