増田明美さん講演会@東京理科大・野田キャンパス

 今日は、増田明美さんが大学に講演に来てくださり、お会いする機会がありました。増田さんは陸上競技長距離走・マラソン)の元トップ選手であり、現在も解説者として一線で活躍されている方です。私は中学1年のときに陸上部に入って以来、16年間(実際はもっと前から走っていたので20年間以上)走っているので、増田さんにお会いできたことは感激するほど嬉しいことでした。

・2011年11月25日(金)、増田明美さん講演会(東京理科大学130周年記念・こうよう会主催)
 「自分という人生の長距離ランナー」

 講演の核になる増田さんからのメッセージは、1) 現場を自分で確かめることの大切さ、2) 恥を恐れないことの強さの2つでした。


 とくに2つ目の「恥をかくことを恐れないこと」というメッセージは、増田さんの現役時代のエピソードが交えられ痛烈に伝わってきました。
 増田さんご自身が20歳のときに出場したロサンゼルス五輪では、レースで勝負できる位置にいられないことに耐えられず途中棄権という結果になってしまったこと。その後走れない時期が長く続いた上に、次のレースとなった3年半後のマラソンでも心無い野次に足が止まってしまったこと。しかし、このレースでは足が止まった後に、“見栄っ張りな自分を脱する”ことができたおかげで“恥にも耐え”、記録は良くなくともマラソンを走り切ることができたこと。それがレース終盤に涙が出るほど嬉しいことだったということを、増田さんはエピソードとして紹介してくださいました。
 そして彼女は、選手として第一線を退いた後、解説者としてこれまで長く活躍されています。

 恥をかくことを恐れずに挑戦をしてほしい―
 彼女が屈辱から自分を見つめ直して活躍を続けてきたエピソードと、そこに込められたメッセージは、心に響くものでした。強烈な屈辱や恥の経験は、それだけの舞台に立てた人しかすることができないものだと思います。その意味で、女子マラソンの第一人者として活躍された増田さんのお話はとても貴重なものでした。
 (増田さんが選手としてプレッシャーを背負い苦労をされたのは、彼女が女子マラソンの先駆者の一人であったこともあったのだろうとも感じました。彼女の出場した1984年のロサンゼルス五輪は、女子マラソンが公式競技となった初めての五輪なのです。)

 増田さんとは講演会の後にも、お話をする機会を頂くことができました。そこでは、体一つで競う陸上競技が人を育てるということについて話したり、一方で陸上競技で活躍している人にも人間らしい色々な逸話があることを話したりして盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができました。

 また明日から、より楽しく走ることができそうです。